体操の世界選手権は14日、男子個人総合の決勝が行われ、内村航平(KONAMI)が史上初の3連覇を達成した。93.631点は昨年7月のジャパンカップを上回り、国際大会の自己ベスト。2位のフィリップ・ボイ(ドイツ)に3.131点差をつける圧勝だった。3位には山室光史(コナミ)が予選からひとつ順位を上げ、銅メダルを獲得。個人総合で日本勢が2つのメダルを獲得するのは2005年のメルボルン大会以来で、来年のロンドン五輪へ大きな期待が膨らんだ。
 世界王者として他を寄せ付けなかった。予選を1位通過した内村は1種目目の床をほぼノーミスで入ると、2種目目のあん馬で全選手トップの成績をたたき出し、首位に踊り出る。続く種目でもつり輪、平行棒で1位の成績を残し、大差をつけた。

 最終種目の鉄棒では、2日前の団体決勝で失敗したコバチに挑み、見事に成功。伸身の新月面宙返りで着地もピタリと決め、場内から大きな拍手と歓声を受けた。内村は全種目でただひとり15点以上をマーク。技の出来栄えを評価する「Eスコア」(10点満点)では6種目中5種目で9点台と安定していた。

 技の難易度を示す「Dスコア」でも39.1点と連覇した前回を上回っており、着実な進化をみせての3連覇だ。香川真司(ドルトムント)、田中将大(東北楽天)、井岡一翔(WBC世界ミニマム級王者)らとは同学年。スポーツ界の黄金世代のひとりとして、いよいよ来夏のロンドンで日本では84年ロサンゼルス五輪の具志堅幸司以来となる金メダルを狙う。