体操の世界選手権は15日、男女の種目別決勝が行われ、内村航平(KONAMI)が床で15.633点をマークし、金メダルを獲得した。内村にとって世界選手権の種目別で優勝するのは初めて。日本勢が床を制したのは1974年大会の笠松茂以来、37年ぶりの快挙となった。その他の種目では山室光史(コナミ)がつり輪で銅メダルを獲得した。
 審判も見間違うほどの鮮やかな演技だった。前日の個人総合で3連覇を果たし、この日の内村はより難易度の高い技に挑戦した。後方抱え込み2回宙返りに3回ひねりを加えた「リ・ジョンソン」。これを見事に成功させたものの、審判がひねりを1回分、見落としてしまう。抗議が認められなければ、金メダルを逃すところだった。

 思わぬハプニングも裏を返せば、それだけ内村の技がスピード感にあふれていたからに他ならない。同じく難易度を上げて挑んだあん馬、つり輪ではミスもあってメダル獲得はならなかったが、それも来年のロンドン五輪を見据えてのもの。改めて世界ナンバーワンでオンリーワンの存在感を示した。