ジャパンラグビートップリーグ2011−2012シーズンの開幕まで3日と迫った26日、全14チームの監督、キャプテンらが一同に都内に会し、来るシーズンへの決意を語った。今季はW杯のため、例年より約2カ月遅れての開幕。リーグの真下昇チェアマンはW杯で1分3敗に終わった日本代表の結果に触れ、「トップリーグの活性化が日本代表の強化、W杯で決勝トーナメントに進むための道筋」と国内リーグのさらなるレベルアップを選手たちに求めた。
(写真:「もう一度子どもたちに夢を与えられるリーグに」と意気込む全14チームのキャプテンたち)
 今シーズンのトップリーグ最大の見どころは、何といってもニュージーランドを沸かせたスターたちの参戦だ。W杯地元優勝を収めたオールブラックスからは、CTBマア・ノヌー(リコー)、FBミルズ・ムリアイナ(NTTドコモ)、LOブラッド・ソーン(福岡サニックス)らがやってくる。またサントリーサンゴリアスは世界最高のSHとの呼び声高い南アフリカ代表のフーリー・デュプレアを獲得。リーグ連覇を狙うパナソニック(昨季まで三洋電機)ワイルドナイツも今大会2トライをあげた同代表CTBジャック・フーリーが加入した。南半球の選手たちはオフシーズンにプレーする場を求めており、日本は金銭面などの条件も悪くない。そういった事情があるにせよ、世界のトップ選手が来日することはリーグにとって追い風だ。

 W杯で惨敗し、8年後に自国開催を控える日本にとって、この好機を活かさない手はない。外国人選手にもまれる中で、新たな日本人スターの台頭が望まれる。冒頭の挨拶で日本ラグビー協会の森喜朗会長は「イングランドW杯の選手を選ぶスタートにしてほしい」と4年後への布石を打つシーズンと位置付けた。

 9年目となる今季のトップリーグは、初昇格となるNTTドコモレッドハリケーンズ、2シーズンぶりの復帰となるホンダヒートが加わった。両者は第1節で直接対決する。開幕節では他にも昨季王者のパナソニックワイルドナイツと、日本選手権を制したサントリーサンゴリアスが激突。清宮克幸新監督率いるヤマハ発動機ジュビロは、トップリーグ2季目となるNTTコミュニケーションズシャイニングアークスと対戦するなど、シーズンのスタートにふさわしい注目カードが目白押しだ。

 また3月に発生した東日本大震災からの復興へ継続的な支援をすべく、第3節では被災地の岩手(11月12日、盛岡南公園球技場)と宮城(11月13日、ユアテックスタジアム仙台)で公式戦を開催する。4回目となるオールスターゲーム「FOR ALLチャリティーマッチ」も、来年3月25日に仙台で行われることが決まった。
 
 リーグ戦は2月5日まで26都道府県で全91試合を実施。12月4日には愛媛(ニンジニアスタジアム)でも試合が開催される。トップリーグではこのところ40万人の観客動員を目標に掲げているが、昨季は347,612人と09−10シーズンから微減に終わった。リーグでは高校や女子、聴覚障害者によるデフラグビーの試合を前座で実施し、より多くの人がラグビーに親しめる機会を増やす方針だ。さらに秩父宮ラグビー場では「ラガール増加プラン」を立ち上げ、女性専用の観戦席やキッズルームなどを設けて女性ファンの取り込みを図る。

 どのチームも先にあげたように外国人補強が進んでおり、リーグ戦は混戦模様だ。上位4チームがトーナメント方式で争うプレーオフは2月26日(日)にファイナルを迎える。ここ4シーズン、レギュラーシーズンとプレーオフ、日本選手権をすべて制したチームが現われていない事実を踏まえても、最後まで目が離せないシーズンとなりそうだ。
(写真:パナソニック・霜村キャプテン(左)は「優勝トロフィーは4カ月間預けるつもりで戦う」と連覇を誓う)

<トップリーグ2011-2012開幕カード>

10月29日(土)
 リコーブラックラムズ×福岡サニックスブルース (東京・秩父宮、12:00)
 パナソニックワイルドナイツ×サントリーサンゴリアス (東京・秩父宮、14:00)
 ヤマハ発動機ジュビロ×NTTコミュニケーションズシャイニングアークス (静岡・ヤマハ、13:00)
 神戸製鋼コベルコスティーラーズ×NECグリーンロケッツ (大阪・金鳥スタ、13:00)
10月30日(日)
 ホンダヒート×NTTドコモレッドハリケーンズ (大阪・近鉄花園、12:00)
 近鉄ライナーズ×コカ・コーラウエストレッドスパークス (大阪・近鉄花園、14:00)
 トヨタ自動車ヴェルブリッツ×東芝ブレイブルーパス (愛知・瑞穂、13:00)