29日、プロ野球パ・リーグのクライマックスシリーズファーストステージが開幕し、土壇場の9回に1点ビハインドを追いついた埼玉西武(レギュラーシーズン3位)が延長11回に3点を勝ち越し。そのまま逃げ切って北海道日本ハム(同2位)を下し、ファイナルステージ進出へ王手をかけた。

◇ファーストステージ
 フェルナンデス、4安打3打点!(西武1勝、札幌ドーム)
埼玉西武      5 = 000000101 03
北海道日本ハム 2 = 200000000 00 (延長11回)
勝利投手 牧田(1勝0敗)
敗戦投手 榊原(0勝1敗)
 最終戦に逆転でCS出場をきめたレギュラーシーズン同様、土壇場で西武が底力を発揮した。
 先発は北海道日本ハムがダルビッシュ有、西武が涌井秀章。同い年のエース対決となった初戦は初回に動いた。日本ハムは左足首の骨折から4カ月ぶりに復帰した先頭の田中賢介が四球を選び、出塁する。1死後、糸井嘉男がヒットでつなぎ、一、二塁。ここで4番・小谷野栄一、5番・稲葉篤紀が連続タイムリーを放ち、2点を先制した。

 対するダルビッシュは立ち上がりから150キロ台の速球を連発し、ボールに勢いがあった。4回まではひとりの走者も許さないパーフェクトピッチング。5回には2本のヒットを許すが、代打の坂田遼をヒザ元に落ちるスライダーで空振り三振に仕留めてピンチを脱した。

 西武の反撃は7回。先頭の中島裕之が両チーム初となる長打(二塁打)でチャンスをつくる。4番・中村剛也は打ち取られたが、続くホセ・フェルナンデスがアウトローのボールをうまくライトへおっつけてタイムリー。1−2として1点差に詰め寄る。ダルビッシュは、この回限りでマウンドを2番手の増井浩俊に譲った。

 試合はこのまま日本ハムが1点リードを保ち、最終回へ。守護神・武田久が登板する。だが、西武は1死後、中島が追い込まれてから四球を選んで出塁。中村が空振り三振に倒れて2死となったものの、前の打席でタイムリーを放ったフェルナンデスがヒットを放ち、一打同点の局面を迎える。打席にはここまでノーヒットの浅村栄斗。今季137試合に出場してブレイクした若武者は高めに浮いたボールを逃さない。ライトへ運び、同点のランナーを還した。

 こうなると流れは西武だ。11回、四球と中島の二塁打で無死一、二塁と勝ち越し機をつくると、中村の敬遠後、フェルナンデスがセンター前へ落とす2点タイムリー。なおも1死満塁と攻めたて、星孝典の犠飛で1点を追加した。

 西武は救援陣の踏ん張りも光った。6回途中で涌井がマウンドを降りて以降、5人の投手陣がいずれも相手を無安打に封じる。最後はルーキー守護神の牧田和久が2イニングを投げて勝利をつかみとった。

 一方の日本ハムは幸先よく2点を先行したものの、以降は打線がつながらない。6回に無死一、三塁の好機で無得点に終わったのも痛かった。また、先の戦いを見据えたのかダルビッシュ有を7回101球で降板させた継投も裏目に出た。第2戦は日本ハム・武田勝、西武・西口文也の先発で行われる。