30日、プロ野球セ・リーグのクライマックスシリーズファーストステージ第2戦が行われ、先手をとった巨人が東京ヤクルトを終盤に突き放し、対戦成績を1勝1敗のタイに持ち込んだ。勝負の行方は最終第3戦にもつれこんだ。

◇ファーストステージ
 代打・高橋由、貴重な3点打(巨人1勝1敗、神宮)
巨人        6 = 000110004
東京ヤクルト   2 = 000010001
勝利投手 内海(1勝0敗)
敗戦投手 石川(0勝1敗)
本塁打  (巨)阿部1号ソロ
 巨人がエースの投打に渡る活躍で逆王手をかけた。
 初戦を落とし、後がない巨人の先発は最多勝のタイトル(18勝)を獲得した内海哲也。防御率でも1点台(1.70)だった左腕は序盤の3回を1安打に抑える立ち上がりをみせる。一方、ヤクルト先発左腕の石川雅規も多彩な変化球を駆使し、巨人打線に的を絞らせない。こちらも序盤を1安打無失点と互角の内容で試合は投手戦の様相をみせる。

 均衡を破ったのは女房役の一発だ。4回、巨人の4番・阿部慎之助が高めに浮いた石川の失投を逃さない。右中間スタンドに運ぶ先制のソロホームランを放った。第1戦に続き、巨人が1点を先行する。

 さらに5回、谷佳知の二塁打をきっかけに1死一、三塁のチャンスをつくる。前夜は追加点が取れず、逆転負けを喫しただけに是が非でも1点が欲しい場面。ここで打席に入ったのは投手の内海。前の打席でもチーム初安打を打っている9番打者は一塁方向に絶妙のセーフティースクイズを敢行する。これが見事に決まり、巨人が貴重な追加点をあげた。

 しかし、ヤクルトも簡単には終わらない。直後に四球からチャンスを広げ、代打・川本良平で1点を返す。さらに6回も先頭の田中浩康がヒットで同点のランナーとして出塁。なおもクリーンアップを迎えるピンチでエースが踏ん張る。3番・青木宣親を引っ掛けさせて内野ゴロに打ち取ると、4番・畠山和洋のライト前への当たりを谷がスライディングキャッチ。バックも好プレーで盛り立てる。内海はしぶとい宮本を空振り三振に仕留め、この回限りで降板した。

 それでもまだ1点差。緊迫した展開で大黒柱の頑張りに2番手以降の投手も応えた。7回、8回と得点圏に走者を背負いながら、東野峻、山口哲也、久保裕也のリリーフ陣がタイムリーを許さない。すると最終回、打線がヤクルト守護神の林昌勇を攻め、2死満塁のチャンスを迎える。ここで代打・高橋由伸が右中間を破る走者一掃の二塁打。貴重な3点を加え、試合を決めた。

 巨人は久保がピッチャーライナーを捕球した際に右手を突いて負傷降板するアクシデントもあったが、急遽登板した西村健太朗がヤクルトの反撃を1点に抑えた。ヤクルトはクリーンアップが不発で打線がつながらず。勝ちパターンの投手をつぎ込んで逆転を狙ったが、最後の林昌勇も誤算だった。第3戦はヤクルトが赤川克紀、巨人はディッキー・ゴンザレスの先発が予想される。