2日、プロ野球セ・リーグのクライマックスシリーズファイナルステージが開幕し、序盤に2点をあげた中日(レギュラーシーズン1位)が、継投で東京ヤクルト(同2位)の反撃をかわして先勝した。これでアドバンテージの1勝を含めて成績は2勝0敗になった。

◇ファイナルステージ
 森野、貴重な2打点(中日2勝、ナゴヤドーム)
東京ヤクルト   1 = 000000010
中日        2 = 10100000×
勝利投手 吉見(1勝0敗)
敗戦投手 増渕(0勝1敗)
セーブ   岩瀬(1S)
 中日がエースの好投と中軸の一打でシリーズの流れをガッチリとつかんだ。
 先発は中日が今季、最多勝(18勝)に輝いた吉見一起。ヤクルトが増渕竜義。中日は2週間ぶりの公式戦となるだけに実戦勘が心配されたが、初回にいきなり先手をとる。1死後、井端弘和がレフト線へ二塁打を放つと、続く森野将彦もスライダーを右中間へ弾き返す。連続二塁打であっさりと1点を先制した。

 なおも3回、先頭の荒木雅博がヒットで出塁。井端がきっちりと送りバントを決めて、得点圏に走者を進める。ここで、またも森野が高めに浮いたストレートをセンター前に運ぶタイムリー。レギュラーシーズンでは打率.232と不振に悩んだ男が、2打席連続で結果を残した。

 中日はナゴヤドームで先取点をあげると勝率9割以上を誇る。こうなると完全に中日のペースだ。3回までに3本のヒットを打たれた吉見も、中盤以降はギアを上げ、4回、5回とヤクルト打線を三者凡退に封じる。6回にはヒットと死球で1死一、二塁のピンチを招くも、4番・畠山和洋、5番・宮本慎也をいずれもスライダーで外野フライに打ち取った。

 ヤクルトが反撃したのは8回。1死から青木宣親がライトフェンス直撃の二塁打を放つ。吉見に代わってマウンドに上がった浅尾拓也から、代打・藤本敦士が三遊間を破って一、三塁とチャンスを広げる。続く福地寿樹はショートゴロだったが、併殺崩れの間に1点が入った。なおも打席には畠山。一発が出れば試合がひっくり返るところだが、初球を中途半端なバッティングでピッチャーゴロに倒れる。
 
 ヤクルトは最終回、四球2つで一、二塁と粘るも、最後は抑えの岩瀬仁紀にジョシュ・ホワイトセルがサードゴロに打ち取られた。中日は中盤以降、無得点ながら吉見から浅尾、岩瀬とつなぐ得意の勝ちパターンで逃げ切り勝ち。大事な初戦をモノにした。敗れたヤクルトはクリーンアップがわずか1安打。得点圏に走者を置いて中軸に3度、打順が巡ってきたものの、あと1本が出ず、ファーストステージを勝ち抜いた勢いをつなげられなかった。