3日、プロ野球パ・リーグのクライマックスシリーズファイナルステージが開幕し、福岡ソフトバンク(レギュラーシーズン1位)が序盤、中盤と得点を重ね、埼玉西武(同3位)を破った。これでアドバンテージの1勝を加え、成績を2勝0敗とした。

◇ファイナルステージ
 内川、流れ呼ぶ先制打(ソフトバンク2勝、ヤフードーム)
埼玉西武      2 = 000000110
福岡ソフトバンク 4 = 00200200×
勝利投手 和田(1勝0敗)
敗戦投手 帆足(0勝1敗)
セーブ   馬原(1S)
本塁打  (西)中村1号ソロ
 ソフトバンクにとってクライマックスシリーズは文字通りの“鬼門”だ。2004年のプレーオフ制導入以降、7年間で6度出場しながら1度も突破できていない。中でもシリーズの初戦に勝ったのはわずか1度だけ。出だしでのつまづきが敗退の一因だっただけに大きな1勝になった。

 だが、序盤は決していい雰囲気ではなかった。初回、いきなりトップバッターの川崎宗則が二塁打。だが、続く本多雄一が送りバントを失敗し、チャンスをつぶしてしまう。続く2回もアレックス・カブレラが二塁打を放つも、松田宣浩、小久保裕紀、多村仁志と頼みのバッターが相次いで倒れ、得点を奪えない。

 そんな“プレーオフの呪縛”からチームを解き放ったのが、横浜からやってきた内川聖一だ。3回、長谷川勇也のヒットを足がかりにつくった2死1、3塁のチャンス。ここで打席に入った今季の首位打者がアウトローのボールを逆らわずにライトへ運ぶ。打球はフェンスに直撃し、2者が生還。ソフトバンクが先手を奪った。

 内川はさらに6回、先頭打者として二塁打でチャンスメイク。四球と犠打もあって二、三塁と好機が広がると、2死後、多村が三塁線へ打球を放つ。サードの中村剛也が下がってボールを捕球したものの、ファーストへの送球は間に合わない。送球が逸れる間に三塁走者のみならず、二塁走者も一気にホームに還り、リードを4点に広げた。

 投げては先発の和田毅が、しっかりとゲームをつくった。今季、開幕投手を務め、16勝をあげた左腕は初回、2回を三者凡退に封じ、完璧な立ち上がりをみせる。7イニングを投げて、先頭打者の出塁はなし。6回には1死から栗山巧にヒットを打たれたが、代打の阿部真宏を併殺打に仕留め、危なげない内容だった。

 西武の反撃は7回、1死から主砲の中村がバックスクリーンにソロホームランを叩き込む。8回には2番手のブライアン・ファルケンボーグから秋山翔吾の三塁打をきっかけに1点を返した。さらに最終回、先頭の阿部が抑えの馬原孝浩から二塁打を放って、クリーンアップに回す。一発出れば同点の場面。しかし、3番の中島裕之、4番の中村が凡打に倒れ、万事休す。終わってみれば、ソフトバンクはシーズン同様の安定した試合運びで勝利を手にした。

 西武は弱点の中継ぎ陣が踏ん張っただけに和田を早めにとらえられなかったのが悔やまれる。またファーストステージで打ちまくったホセ・フェルナンデスも音なしだった。第2戦はソフトバンクが攝津正、西武が岸孝之の先発で行われる。