4日、プロ野球パ・リーグのクライマックスシリーズファイナルステージ第2戦が行われ、中盤に逆転した福岡ソフトバンクが終盤に満塁本塁打で突き放し、埼玉西武に快勝した。これでアドバンテージの1勝を加え、成績は3勝0敗。8年ぶりの日本シリーズへあと1勝に迫った。

◇ファイナルステージ
 松田、勝ち越し弾(ソフトバンク3勝、ヤフードーム)
埼玉西武      2 = 020000000
福岡ソフトバンク 7 = 10000204×
勝利投手 攝津(1勝0敗)
敗戦投手 岸(0勝1敗)
本塁打  (ソ)松田1号ソロ、松中1号満塁
 連勝を呼び込んだのは、過去のプレーオフ、クライマックスシリーズで最も苦しんだ主砲の一発だった。8回、2死満塁。代打で登場したソフトバンク・松中信彦は、西武のクローザー・牧田和久の初球をフルスイングした。打球はファンの待つライトスタンドへ。勝利を、そしてシリーズの流れを完全に決定づけた。

 先発は今季からスターターに転向した攝津正だった。幸先よく初回に1点の援護をもらったものの、2回につかまる。4番・中村剛也、5番ホセ・フェルナンデスに連打を浴びると、内野ゴロの間に同点に追いつかれた。さらに1死2塁で大崎雄太郎がタイムリー。このシリーズ、初めて西武にリードを許す。

 だが、今季14勝をあげている右腕はそこから立ち直った。3、4回は相手打線を三者凡退に封じると、6回には走者を背負いながら第1打席でヒットを打たれている中村を空振三振、フェルナンデスをライトフライに打ち取った。

 すると、直後の攻撃で打線が西武先発の岸孝之をとらえる。まず、先頭の本多雄一がライトフェンス直撃の二塁打で出塁。初回にタイムリーを放っている内川聖一がチームバッティングに徹し、右打ちで走者を三塁に進める。ここで2打席連続三振だった3番アレックス・カブレラがしっかり外野へフライを打って、ソフトバンクが同点に追いついた。さらに4番・松田宣浩が気落ちした岸の失投を逃さない。高めに浮いたボールを引っ張り、レフトへの勝ち越し弾。あっという間に試合をひっくり返した。

 こうなるとソフトバンクは攝津から森福允彦、馬原孝彦とつなぐリレー。前夜にブライアン・ファルケンボーグが左足を痛めてベンチから外れただけに、8回の松中のグランドスラムは大きかった。

 西武は8回の1死二塁のチャンスで同点に追いつけなかったのが痛かった。ビハインドの展開で牧田を投入する必死の継投も、痛恨の一発で裏目に出た。後がない西武は第3戦、エースの涌井秀章にすべてを託す。一方、ソフトバンクは杉内俊哉を先発に立て、一気に日本シリーズ進出を決めにかかる。