ボクシングのWBC世界スーパーフライ級タイトルマッチが4日、タイ・バンコクで行われ、同級5位で元WBA世界スーパーフライ級王者の名城信男が、王者のスリヤン・ソールンビサイ(タイ)に挑戦した。名城は積極的に攻めたが、相手をつかまえきれず、0−3の判定負け。2度目の世界王座返り咲きはならなかった。これで国内ジムに所属する日本人の海外での世界挑戦は33連敗。タイでの挑戦は14戦全敗となった。
 ホームタウンディシジョンに泣いた。3度目の王座獲得へ初めて組んだ海外での世界挑戦。判定にもつれ込めば不利になるのはわかっていた。
 それだけに序盤から左ジャブを繰り出し、手数は多かった。だが、ジャッジは有効打と認めない。4R終了時の公開採点では、王者にフルマークをつけたジャッジが2人もいた。露骨とも言える判定に名城陣営は試合後、WBCに提訴する意向を示した。

 KOしか勝利が見えない状況では、中盤以降、一発狙いになったのはやむを得ない。スリヤンは初防衛戦ながら、戦い方を心得ていた。名城が前に出てきたところをかわしながらパンチを的確に返す。8R終了時には大差をつけられた。

 30歳になった名城にとっては進退を懸けた一戦だった。もう一度、リングに上がる気持ちは残っているのか。王座陥落から1年半、元王者は岐路に立たされた。