9日、「FIVB(国際バレーボール連盟)バレーボールワールドカップ(W杯)2011」の第5戦で日本は、世界ランキング14位、高さを武器とするドミニカ共和国と対戦。3セットいずれも出だしは主導権を握られるも、WS江畑幸子などの活躍で逆転。そのままリードを守り切り、前日に続いてストレート勝ちを収めた。これで対戦成績は3勝2敗となった。

日本 3−0 ドミニカ共和国
(25−20、25−19、25−16)
 最高到達点330メートルを誇るエースのWSベタニア・デラクルスを中心に、高いジャンプ力をもつ“鳥人軍団”。その高い壁に、第1セットの前半は苦戦を強いられる。WS新鍋理沙がブロックを気にしてか、スパイクをふかしてしまうと、今度はそのブロックにつかまる。さらにWS木村沙織のバックアタックもブロックされてしまう。逆にドミニカは強打を警戒する日本の守備の裏をつくフェイントを多用し、得点を重ねていった。

 この嫌な流れを断ち切ったのは成長著しい江畑だ。レフト、ライトの両サイドから強烈なスパイクを決める。さらにチーム一の長身、大型センターのMB岩坂名奈がクイック、さらにはデラクルスの強打をブロックし、チームに流れを引き寄せた。すると、中盤にはドミニカにミスが相次ぎ、11−14から日本は5連続ポイントを奪って、ついに逆転。終盤は1点を争う激しい攻防戦が続いたが、20−19から江畑のスパイク、ブロック、さらには岩坂のサーブで3連続ポイントを奪うと、WS新鍋理沙にもこの試合初得点が生まれ、日本がセットポイントを迎える。この場面でコートに入ったS中道瞳からの速いトスをWS木村がバックアタック。3連覇中の東レコンビが最後を決めた。

 第2セットも序盤はドミニカに主導権を握られるも、日本が追いついた中盤以降は再び激しい攻防戦が繰り広げられる。そんな中、抜け出したのは日本だった。13―15から木村が3連続ポイントを奪うと、岩坂の速攻も決まり、逆転に成功。そのまま日本がリードを守り切り、このセットも奪い取る。

 第1、2セット同様、第3セットも出だしはドミニカにリードを許した日本だったが、ドミニカのミスに乗じて序盤で逆転すると、中盤にはS竹下佳江のサーブがさく裂。エース2本を含み、次々と竹下のサーブからの得点が生まれ、14−7と日本が完全に主導権を握った。ドミニカもエースのデラクルスが奮起するも、その差はなかなか縮まらない。日本は途中出場のWS山口舞がスパイク、ブロックと3連続をポイントを奪うなど、層の厚さを見せると、岩坂のブロックでマッチポイントを迎える。最後は木村の角度のあるスパイクがドミニカのコートに突き刺さり、ゲームセット。

“鳥人軍団”にストレート勝ちを収めた日本は前半の成績を3勝2敗とし、11日からは後半戦へと突入する。その後半戦ではヨーロッパ選手権覇者のセルビア、日本の永遠のライバル韓国、世界女王のブラジル、最終戦ではそのブラジルを今大会開幕戦で破っている米国と世界の強豪国が待ち受けている。それだけに、これまで以上の厳しい戦いとなることは必至。果たして“火の鳥NIPPON”はどんな戦いを見せるのか。ロンドンへの切符をかけた戦いに注目したい。