11日、「FIVB(国際バレーボール連盟)バレーボールワールドカップ(W杯)2011」の第6戦で日本は、世界ランキング5位、欧州チャンピオンのセルビアと対戦。最後まで諦めない姿勢を見せた日本だったが、あと一歩のところで奪いきることができず、ストレート負けを喫した。これで対戦成績は3勝3敗となった。

日本 0−3 セルビア
(22−25、20−25、21−25)
 絶対に勝たなければいけない正念場を迎えた“火の鳥NIPPON”。第1セットはいいスタートを切った。相手の得意のクイックを見事なレシーブで上げると、この試合の重要性を最も感じているであろう、エースのWS木村沙織が技ありのフェイントで先取点を挙げる。さらにブロックとレシーブのコンビネーションでセルビアのクイックをまたも上げると、木村が今度はレフトから強烈なスパイクをセルビアのコートに突き刺した。3点目も木村が決めて3−1とし、日本が試合の主導権を握り始める。

 すると、セルビアは早くもタイムアウトを取った。これで落ち着きを取り戻したセルビアは、平均身長186センチと出場国No.1の高さを誇るチームの柱である若き最強センター陣、ともに21歳のMBミレーナ・ラシッチとMBステファナ・ベリコビッチが躍動する。次々と高さのあるクイックを決め、7−8と逆転した。日本も木村が高い確率でスパイクを決め、チーム一の長身、MB岩坂名奈がセルビアのクイックをブロックするなど、ヨーロッパ女王と1点を争う激しい攻防戦を演じた。しかし、中盤にサーブやサーブレシーブのミスなどでセルビアに4連続ポイントを奪われ、3点差とされる。結果的に、これが明暗を分けた。終盤、途中出場のWS山口舞、WS石田瑞穂が奮闘し、懸命にくらいつくも、最後までその差を縮めることができず、このセットを取ることができなかった。

 勢いづいたセルビアは第2セット、得意のクイックで連続ポイントを奪い、5−12と主導権を握った。ここで、日本はなかなか乗り切れないMB荒木絵理香を下げ、チーム最年長35歳の森和代を投入した。その森が入ってすぐに、ベテランらしい技ありのワンタッチ狙いのブロードを決めてサイドアウトを取る。すると、その森と岡山シーガールズのチームメイトであるWS山口舞が彼女にしかできない、相手の意表をつく時間差攻撃で得点を重ねた。しかし、セルビアもそれまでのセンターから攻撃の中心をサイドに切り替え、日本のコートに強烈なスパイクを叩きつける。最大7点差を4点差にまで追い上げた日本だったが、最後は木村がバックアタックを狙うもS竹下佳江のトスが合わず、ネットにかかり、このセットもあと一歩のところで落とした。

 崖っぷちに立たされた日本は第3セット、気合いのこもったプレーでセルビアとサイドアウトの応酬を演じた。そしてこのセット、初めて連続ポイントを奪ったのは日本だった。WS江畑幸子のバックアタックで7−7とすると、岩坂が主力のケガで台頭してきた19歳の若きアタッカー、WSアナ・ビエリカのスパイクをブロックで止めた。しかし、セルビアもすぐに193センチのラシッチのクイック、WSブリジトカ・モルナルのレフトスパイクで連続ポイントを奪う。そしてここから再び激しい攻防戦が続いた。

 中盤以降、セルビアは意表を突く動きで好きなようにやられていた山口をブロックで止めるなど、日本の攻撃を封じ、徐々に流れを引き寄せていく。日本は悪い流れを断ち切ろうと、S中道瞳とWS石田瑞穂の2枚替え、さらにはピンチサーバーにWS迫田さおりを投入するなどしたが、これらが不発に終わってしまう。この悪い流れにつられるかのように、竹下が珍しくサーブをミスし、セルビアのマッチポイントを迎えた。一度はエース木村のスパイクでサイドアウトを取るも、最後はラシッチにクイックを決められ、ゲームセットとなった。

 明日は第2ラウンド終了時点で得点ランキング2位のエース、WSキム・ヨンギョン擁する韓国と対戦する日本。この大会でのロンドンへの切符獲得は極めて難しくなったものの、ロンドンを目指すには絶対に負けられない相手だ。1勝5敗と波に乗り切れない韓国だけに、ストレートでの快勝を期待したい。