13日、「FIVB(国際バレーボール連盟)バレーボールワールドカップ(W杯)2011」の第8戦、日本は世界ランキング1位のブラジルと対戦。サイド、センターと多彩な攻撃に、粘りの守備で力を発揮した日本に対し、ブラジルはミスが多発しリズムに乗り切れなかった。日本は最後まで高い集中力を見せ、世界女王にストレート勝ちという大金星。これで対戦成績を5勝3敗とし、5位で最終ラウンドに臨む。

日本 3− 0 ブラジル
(26−24、25−19、25−23)
 日本、ブラジルともに第1セットは動きにかたさが見られ、なかなか波に乗り切れなかった。まずは日本がWS木村沙織、WS江畑幸子のスパイク、さらにはMB岩坂名奈のサービスポイントで3連続ポイントを奪い、3−1とリードする。しかし、センターからサイドに攻撃の中心を変えたブラジルがジリジリと追い上げる。10−9からブラジルはWSマリアーネ・スティンブレシェルがライトからクロススパイクを決めると、江畑のスパイクをブロック、そして世界No.1アタッカーの呼び声高いWSシェイラ・カストロのスパイクで3連続ポイントを奪って逆転する。しかし、日本もすぐに追いつき、この試合高い決定率を誇ったエース木村や江畑の活躍で世界女王のブラジルと互角の戦いを見せた。そして23−24と一度はブラジルがセットポイントを迎えるも、159センチのS竹下佳江が188センチのWSマリアーネ・スティンブレシェルのスパイクをブロックで止め、同点に追いついた。すると、これに動揺したのか、ブラジルのサーブレシーブが乱れ、日本のチャンスとなる。これを木村が決めて日本がセットポイントを迎えると、最後も木村が技ありのフェイントでポイントを奪い、日本がこのセットを先取した。

 第2セット、日本は岩坂がこの試合初めてスパイクを決めるなど、多彩な攻撃を見せてブラジルにくらいつく。一方のブラジルは大事なところで定評のあるサーブがアウトとなるなど、ミスが多かった。そのブラジルのミスを絡め、日本は中盤に5連続ポイントを奪い、リードする。すぐにブラジルに同点とされるも、MB荒木絵里香、WS石田瑞穂が連続でベテランアタッカー、WSパウラ・ペケノのスパイクをブロックで止める。これで勢いに乗った日本は、木村や江畑が次々とスパイクを決め、19−24とセットポイントを迎える。そして最後は石田のサーブがブラジルのコートにポトリと落ち、日本がブラジルから連取した。

 第3セット、またもブラジルに痛恨のミスが出る。4−4からブラジルのタッチネットで日本がこの試合初めてリードを奪うと、江畑のバックアタック、さらに荒木のサーブでブラジルがレシーブミス。ネット上に上がったボールを木村が押し込み、その差を3点とした。すると、ブラジルはあわて始める。エースのシェイラのバックアタックがアウトとなると、MBファビアナ・クラウジアノ、WSジョセファファビオラ・ソウザと連続でサーブをミスする。さらにアタッカーとセッターとのコンビが合わず、日本にチャンスボールが上がると、これを荒木がダイレクトで決めた。

 中盤以降もブラジルはミスで自滅していく。エースのシェイラに頼らざるを得なかったが、そのシェイラもミスを連発。バックアタックラインを踏むという彼女らしくないミスを犯すと、打ち切ったバックアタックもアウトとなる。一方、日本はそんなブラジルにつられることなく、高い集中力を見せ、確実に得点を重ねていった。終盤にはキャプテン荒木が奮闘する。パウラのスパイクをブロックで止めると、ピンチサーバーWS座親琴希のサーブでブラジルの守備が乱れ、上がったチャンスポールを再び荒木がダイレクトで決めた。これで日本は23−18とする。ここからブラジルも粘りを見せ、4連続ポイントを奪って2点差に迫った。しかし、この悪い流れをエース木村のスパイクで断ち切ると、最後もその木村が決め、日本がブラジルにストレート勝ちを収めた。これで対戦成績を5勝3敗とした日本。ロンドンへの切符獲得に希望を残し、最終ラウンドの東京に乗り込む。