16日、「FIVB(国際バレーボール連盟)バレーボールワールドカップ(W杯)2011」の第9戦、日本は世界ランキング15位、今大会8戦全敗と格下のケニアと対戦。第1セットの序盤こそリズムに乗り切れなかった日本だが、落ち着きを取り戻すと、攻守にわたって圧倒的な力を見せてストレート勝ち。対戦成績を6勝3敗とし、勝ち点19で4位に浮上。ロンドンへの切符獲得に望みをつなげた。

日本 3− 0 ケニア
(25−11、25−10、25−9)
 ブラジルにストレート勝ちの大金星を挙げ、対戦成績を5勝3敗とした日本は、ロンドン五輪の出場権をかけて最終ラウンドへ。その初戦となったケニア戦、日本はWS木村沙織のフェイント、WS江畑幸子のブロックでポイントを連取し、幸先のいいスタートを切ったかに見られた。ところが、WS新鍋理沙のスパイクがブロックされると、MB荒木絵里香がブロード、続いて木村のレフトからのスパイクもブロックされ、意外にも苦戦を強いられた。

 しかし、中盤以降は落ち着きを取り戻す。8−7と1点リードの場面、新鍋がライトからクロススパイクを決めた。これがこの試合、チームで初めてとなる強打のスパイクでのポイントだった。これを皮切りに、日本はここからMB岩坂名奈のクイック、木村のレフトからのスパイク、さらには竹下が2連続でサービスエースを奪うなど、7連続ポイントで15−7とし、試合の主導権を握った。終盤には相手のミスもあり、結局このセットを14点の大差で奪った。

 第2セットもケニアにミスが続く。サイドからのスパイクはことごとくラインを割り、連続ポイントで勢いにのろうとすると、サーブミスを犯した。一方、日本は着実に得点を重ねていった。このセット、スタートから起用されたWS山口舞とWS迫田さおりも指揮官の期待に応える活躍を見せる。その山口、迫田の連続ポイントでセットポイントを迎えた日本は、最後はエース木村がバックアタックをケニアコートに叩きつけ、15点差をつけて連取した。

 第3セット、序盤から日本のサイド陣が次々とスパイクを決めていった。新鍋が最初ポイントを奪うと、迫田、木村、さらには狩野舞子も続き、8−4とリードする。後のないケニアも2点差に迫るなど粘りを見せるも、日本は中盤、エース木村の3連続ポイント、荒木のサービスポイントなどで怒涛の13連続ポイントを奪って点差を広げた。第2セットに続いてスタートから起用された狩野のスパイクでマッチポイントを迎えた日本は、岩坂のブロックが決まり、ゲームセット。圧勝でケニアを下し、明日のドイツ戦へと弾みをつけた。

 明日のドイツ戦について眞鍋政義監督は次のように語った。
「ドイツは今回、勢いがある。彼女らの強みとしては全員がいいサーブを打つこと。それに対して、サーブレシーブが重要になってくる」
 ロンドンの切符獲得には、もう一つも負けることができない日本。現在、2位につけている米国戦を前に、明日の試合が大一番となる。