元プロレスラーで携帯サイト『二宮清純.com』の人気コラム「マル秘ファイター列伝」の執筆者、垣原賢人が16日、東京・後楽園ホールで行われた「金原弘光デビュー20周年記念興行U-SPIRITS」で“一夜限りの復活”を果たした。垣原にとっては2006年5月の引退以来、約5年半ぶりのリング。DRAGON GATEの王者・望月成晃との試合は熱戦の末、6分18秒アンクルホールドで一本負けを喫したものの、「負けたままでは終われません。垣原賢人、完全復活を目指します!」と現役復帰へ始動することを明らかにした。
(写真:望月からダウンを奪い、観客にアピールする垣原)
「つい、ポロッと言ってしまった」
 本人も予期しなかった現役復帰宣言だ。5年半ぶりに味わった闘いの高揚感がファイターとしての本能を呼び覚ましたのか。「明日になったら、言ったことを後悔するかもしれない」と苦笑いしながらも、「体を作り直して、スキルアップして完全復帰への道を探りたい」とキッパリ断言した。

 それもそのはず。リング上での垣原はブランクを全く感じさせなかった。慎重な立ち上がりから一転、右のミドルキックで望月をのけぞらせると、現役時代と変わらぬ掌底を連発し、ダウンを奪った。さらにはかかとを極めて、相手をマットにはいつくばらせる。
「すげぇよカッキー、動けてるなぁ」
 客席からも感嘆の声が漏れるほど動きは切れていた。

 その後は現役バリバリの望月の反撃を受け、ダウンを喫したものの、立ち上がると得意技の稲妻レッグラリアットが炸裂。会場を大いに湧かせる。そして前日会見で予告した“必殺技”を繰り出そうと試みる。
「(首に負担がかかる)ジャーマンをやって、首が回復したところをお見せします!」
 だが、望月の後ろを取って投げようとするも、敢えなく失敗(写真)。倒れたところへかかとを極められて無念のギブアップとなった。

 悔しい敗戦だったが、試合後にはセコンドについていたチビミヤマ仮面がリングに登壇。チビミヤマ仮面の音頭で対戦相手の望月、レフェリー、観客全員がクワガタポーズの“三本締め”を行い、久々のリングを締めくくった。
(写真:チビミヤマ仮面の「よろしくクワ!」とのかわいい呼びかけに会場が一体となった)