NPBで戦力外通告を受けた選手などを対象にした12球団合同トライアウトが5日、QVCマリンフィールドで開催された。今季は11月24日にほっともっとフィールドで行われた第1回目に続く実施。投手17名、野手10名の計27名がNPBでのプレー続行に望みを託し、ネット裏に詰めかけた各球団の編成担当、チーム関係者にアピールした。
 トライアウトは17人の投手が、各4人の打者に対し、カウント1−1から勝負する実戦形式。27選手の中でもっとも目立ったのは、元横浜、オリックスの古木克明だ。09年限りでオリックスから戦力外通告を受け、一時は総合格闘家に転身した左打者は、7回打席に立ち、安打性の当たりを3本飛ばした。これで、第1回のトライアウトも加え、14打席に立って“4安打”。3年ぶりの球界復帰を目指す31歳は「100点」と満足そうに振り返り、再びNPBのユニホームに袖を通すことを熱望した。

 一方、埼玉西武を戦力外になったGG佐藤は最初の2打席を空振り三振。3打席目、4打席目も凡打に打ち取られるなど、08年には北京五輪代表にも選ばれた強打は不発に終わった。阪神も戦力外になった桜井広大、葛城育郎も各“1安打”。独立リーグの四国・九州アイランドリーグ(当時)から東北楽天に育成選手として入団した松井宏次は5三振を喫し、厳しい内容だった。

 投げては元中日、巨人の野口茂樹が第1回に続いて参加。2年半のブランクを経て、今季途中からアイランドリーグ・三重スリーアローズに入り、10試合に登板して成績は1勝4敗、防御率2.63だった。トライアウトの結果次第では引退の可能性を口にしている左腕は、当たっている古木をショートフライに仕留めたものの、2四球と制球が定まらなかった。

 また独立リーグでプレーした選手ではBCリーグ石川から南和彰(元巨人)が6年ぶりの復帰をかけてマウンドへ。チームの独立リーグ日本一にも貢献した力を示したいところだったが、4人の打者にヒット性の打球を外野へ2本飛ばされ、精彩を欠いた。他には小林良寛(元アイランドリーグ香川、元ロッテ)、高田周平(元BCリーグ信濃、前阪神)も登板し、必死の投球をみせた。

 今季のトライアウトは第1回に59選手が受験するなど、例年に比べて参加者は多かった。だが、東日本大震災の影響でシーズンが後ろ倒しになった関係で、もう球界はオフシーズンに入り、補強は一段落している状況だ。第1回トライアウトに参加して入団先が決まったのは紺田敏正(前巨人、日本ハム)、木下達生(前中日、東京ヤクルト)、阿部健太(前阪神、同)のみ。今回、獲得したい球団が現れれば、1週間以内に選手の元に連絡が届く。あとは朗報を待つしかない。