26日、都内の協栄ジムで亀田興毅選手が今月11日に行われた世界ボクシング評議会(WBC)フライ級タイトルマッチで王者・内藤大助選手(宮田ジム)に対し、挑戦者の亀田大毅選手(協栄ジム)が反則行為を繰り返したことに対しての謝罪会見を開いた。
(写真:「亀田家代表として」謝罪会見を行った興毅選手。左は金平会長)
 反省の意が込められているのか、大毅選手と同じく坊主頭にし、“亀田家代表”として一人で会見場に姿を現した興毅選手。無数のフラッシュがたかれる中、深々と頭を下げ次のように謝罪した。

「いろいろとご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。内藤選手にお詫びしたいと思います。自分も含め、大毅と親父の言動など今までのことを深く反省しています。自分たち亀田家のせいでボクシング全体のイメージが悪くなってしまい、関係者、ファンの皆さん、大変申し訳ございませんでした」

 次に会見に同席した金平桂一郎会長からは、亀田家に対しての処分が発表された。まず、辞任の申し出があった父親の史郎氏に対しては「書面としては受け取っていない」としながらも、受理するとした。事実上、史郎氏はボクシング界から身を引くこととなる。

 大毅選手に対してはWBCのほうから既に1年間のライセンス停止処分が下されていることから、面会ができる状態になり次第、厳重注意することとした。ただし、練習再開は改めて謝罪会見をしたうえでとした。

 また、興毅選手は協栄ジムでの練習再開については認められたものの、10月25日に予定されていた試合も含め、3カ月間の試合出場の自粛を決めた。

 記者から「史郎氏から反則指示はあったのか?」という質問に対し「言い訳はしない、反省している」と述べた興毅選手。「したか、しないかをはっきりしてほしい」と強く迫られると、困惑した表情で黙ってしまった。

 それを見ていた金平会長が「言い訳はしない、反省しているということは(指示したと)認めているということ」と説明すると、興毅選手も深くうなづいた。

 また、「“ヒジでもいいから目に入れろ”と言ったのか?」という自分への質問に対しては、はっきりと「はい」と答え、「あの時は頭が真っ白になっていて、あまり覚えていない。しかし事実、映像も残っているわけで、反省しています。申し訳ありませんでした」と謝罪した。
 
 今までの派手なパフォーマンスや相手を挑発する発言などについて「試合に向けての作戦や、対戦相手にプレッシャーをかけるためにやったところもある。やり過ぎた面もあったと思う」と反省の意を示しながらも「自分たちで、こうしたら盛り上がるかなとか、いろいろ考えてやってきたつもり」と説明した。

 今後、父・史郎氏がボクシングの指導から離れることについては「辛いところもあるが、オレも20歳超えているし、いつまでもそんなことは言っていられない。これから、自分の力で頑張っていきたい」と話しながらも、「これからも自分たち3兄弟の親父だし、その関係が変わることはない。ここまで育ててもらったし、今ここにいられるのは親父のおかげ。親父のボクシングで世界一にもなることができた。世界一の親父だと思っている。3兄弟で世界チャンピオンになりたい。それが親父への恩返しにもなる」と父への思いも語った。

 また25日に予定されていた興毅選手のノンタイトル戦(パシフィコ横浜)が中止になったことについて、「対戦相手が決まらない」と説明されていたが、金平会長は「実は対戦相手は南アフリカの選手に決まっていたが、興毅サイドの意向によりキャンセルしたことが分かった。興行主催者としてあらためてお詫びしたい」と説明して謝罪。興毅は「大毅が世界戦で負けて、バッシングがあって、次の試合に臨める状態じゃなかった」と説明した。

 協栄ジムでの練習再開の時期については明言を避けたが、「できるだけ早く練習を再開したい」と話し「ちゃんと練習して、試合ができる体をしっかりつくってやっていきたい。最初は1人で通うことになると思うが、大毅が元気になったら2人で通いたい。自分たちにできるのはリングで結果を出すことだと思っている。ファンのみんなにもこういう姿をいつまでも見せたくない。早くまた世界チャンピオンになりたい」と神妙な面持ちで決意を示した。

 会見の最後にはあらためて、内藤選手、関係者、ファンへの謝罪の意を示し、「応援してくれるファンの皆さんに次、最高の試合を見せられるように頑張るから応援してください」と頭を下げた。