2日、ロンドン五輪選考会を兼ねた第88回競泳日本選手権が開幕。男子400メートル個人メドレー決勝では、予選をトップ通過した高校3年の萩野公介(御幸ヶ原SS)が昨年の世界選手権銅メダリストの堀畑裕也(日本体育大)をおさえて4分10秒26の日本新記録で優勝。女子400メートル個人メドレー決勝では同じく高3の大塚美優(スウィン大宮)が高校新記録の4分36秒64をマークし、日本女王となった。2位には高橋美帆(日体大)が入った。萩野、堀畑、大塚、高橋は派遣標準記録を突破し、見事ロンドン五輪出場を決めた。男子で高校生での五輪出場は2000年のシドニー大会での北島康介(平泳ぎ100メートルおよび200メートル)と三木二郎(200メートル個人メドレー)以来となる。そのほか、男子100メートル平泳ぎ準決勝では予選を全体のトップで通過した北島(アクエリアス)がこのレースでも全体の1位通過。2位には立石諒(NECGSC玉川)が入った。決勝は明日3日に行なわれる。
(写真:世界水泳銅メダリストの堀畑<手前>に競り勝つ高3の萩野)
【選手のコメント】
萩野公介
「納得のいくタイムが出せたので、本当に嬉しい。(自己ベストを4秒以上上回ったのは)苦手なバタフライをうまく泳げたのと、今調子のいい平泳ぎで稼ぐことができたからだと思う。(堀畑選手が)最後は追いあげてくるのはわかっていた。でも、レース前にコーチに『楽しんで来い』と言われて、実際に楽しむことができた。(ロンドンでは)失うものは何もないので、積極的にいっていい結果を残したい」

大塚美優
「今までにないくらい練習してきたので、タイムはもう少し欲しかった。日本記録は狙いたかったが、届かなかったので残念。オリンピック代表に決まったのは、周りの人のおかげでもあるので感謝の気持ちでいっぱい。(ロンドンでは)決勝で上位に食い込めるように、堂々と戦ってきたい」

北島康介
「朝の調子が良かったので、準決勝は前半から楽にいきたいなと思っていたら、そのまま100メートルを泳ぐことができた。(明日の決勝では)諒との勝負も楽しみではあるが、自分の中ではやはり世界で勝ちたいという気持ちが強いので、58秒台が出れば自信になると思う。オリンピック選考会という一発勝負の中で、いい緊張感をもってここまでこれていると思うので、明日の決勝は今の時点で自分が納得できる泳ぎをしてオリンピックの切符をつかみたい」

 主な結果は次の通り。

<男子400メートル個人メドレー・決勝>
1位 萩野公介(御幸ヶ原SS)4分10秒26 ※日本新記録
2位 堀畑裕也(日本体育大) 4分10秒52

<女子400メートル個人メドレー・決勝>
1位 大塚美優(スウィン大宮) 4分36秒64 ※高校新
2位 高橋美帆(日本体育大)  4分37秒71

<男子100メートル平泳ぎ・準決勝>
1位 北島康介(アクエリアス) 59秒31
2位 立石諒(NECGSC玉川) 1分0秒04
3位 崎本浩成(KONAMI)  1分0秒96
4位 山口観弘(志布志DC)  1分0秒99
5位 坂田大貴(イトマン)   1分01秒10
6位 冨田尚弥(T・アリーナ) 1分01秒13
7位 小関也朱篤(日本体育大) 1分01秒15
8位 富永航平(東京大)    1分01秒39
(写真:好調さを見せ、トップ通過した北島)