10月11日、東京・有明コロシアムで行われる世界ボクシング評議会(WBC)フライ級タイトルマッチの調印式と前日計量が10日、都内で行われた。調印式では、王者・内藤大助(宮田)がジャージ姿なのに対し、挑戦者・亀田大毅(協栄)は金髪、サングラス、金色のジャケットという派手ないでたちで登場。調印式後の会見では、大毅が「オレが負けたら切腹するわ。命がけでいく」と宣言。「内藤は負けたら何すんねん。オマエも切腹しろ」という亀田サイドの挑発に内藤は「オレはそんな約束はできない」とかわしながら、「とにかく良い試合をして勝ちにこだわりたい。国民のために頑張る」と意気込んだ。
(写真:挑戦者・亀田大毅の印象について「特にない」と語った王者・内藤)
 今年7月、ポンサクレック・ウォンジョンカム(タイ)を破り、悲願の王座奪取を果たした内藤が初防衛戦に挑む。
 調印式を終え、まず王者の内藤が「言うことなく仕上がった。明日、一生懸命やるだけです。お客さんが喜んでくれるような試合がしたい。とにかく勝ちにこだわる良い試合がしたい」と意気込みを語った。
 内藤が話している途中、会場にいた大毅の兄・興毅が「チャンピオンとして国民の期待に応えろよ」と野次を飛ばし、内藤が「誰? 人が話してるんだから…」といなす場面もあった。

(写真:終始、強気の姿勢を見せた挑戦者の亀田大毅)
 挑戦者・大毅は「早くリングに上がりたいな。オレはホンマ、運ツイてると思うわ。内藤がポンサクレックに勝ってくれたからオレに世界戦のチャンスがまわってきた」と語り、「オレが負けたら切腹するわ」と強気の発言。「オマエも負けたらやれよ」と挑発する大毅に、内藤が「勝負は何が起きるかわからない。オレは負けたら死ぬなんて、そんな約束はできない」と冷静に返すと、兄・興毅が「根性ゼロやな」と罵るなど、会場内に不穏な空気が流れた。

 挑発的な亀田サイドに対し、冷静な対応を貫いた内藤は、大毅の印象についても「特にない」を繰り返した。また、「KOする。オレのパンチは宇宙一や」と豪語する大毅に対し「自分はKOするとは言わない。とにかく勝ちにこだわる」と静かに意気込んだ。

 調印式後に行われた計量では、両者ともリミットの50.8キロで1回でパス。その後の会見で内藤は「亀田と会ったのは今日が初めて。テレビで見たままだなと思った。(挑発に)すげー頭にくるかと思ったけど、(亀田家の)家族愛を感じて、意外に頭に来なかった」と余裕を見せ、「亀田兄弟は普段から言動も大きいし、まだ負けたことがない。『あの鼻をへし折ってやれ』という人もたくさんいる。そういう人たちの期待に応えたい。亀田兄弟も負けるんだ、というところを見せたいですね」。
 大毅の「切腹」宣言には、「ホントにするのかな、と(笑)。僕が勝ったらぜひやってもらおう。本気で勝ちにくるという気持ちはもちろん感じる。冷静さを忘れずに、良いパンチをもらわないことですね。明日、刀を持っていこうかという話もしていたけど、銃刀法違反で捕まるので、やめました(笑)」と語った。

 内藤が勝てば日本のジム所属選手の世界王座防衛最年長記録、大毅が勝てば18歳9カ月5日での世界王座獲得で日本選手の最年少記録となる注目の一戦。果たして、ベルトを手にするのはどちらか――。

WBC世界フライ級タイトルマッチ
有明コロシアム  試合開始16 :50

<WBC世界フライ級タイトルマッチ12R>
王者・内藤大助 (宮田)×亀田大毅(協栄) ※WBC世界フライ級14位

<フェザー級8R>
宮田芳憲(角海老宝石)×吉住 壽祐 (協栄)

<ライトフライ級8R>
神谷優季 (ピューマ渡久地)×ホブ・ソラーノ(メキシコ) ※WBC世界ミニマム級24位

<ウェルター級6R>
下川原雄太(角海老宝石)×武田浩佑(協栄)

<スーパーフェザー級4R>
永野優輔 (ヨネクラ)×伊藤諒(シャイアン山本)

<スーパー・バンダム級4R>
石田将大(本多)×山田真大(協栄カヌマ)