2日、3日に日本武道館で開催される「K-1 WORLD MAX 2007 〜世界一決定トーナメント決勝戦〜」の前日会見が都内で行われ、4年ぶりの王座奪還を狙う魔裟斗をはじめ、大会出場選手が意気込みを語った。
(写真:チャンピオンベルトを間に置き、ファイティングポーズをとるブアカーオ<左>と魔裟斗<右>)
 日本のエース魔裟斗がタイトルへの強い意欲を見せた。会場に入場する際、向かい合って歩いてくる準々決勝の対戦相手ブアカーオを鋭い眼光でにらみつけた。会見では“勝ちたい”という言葉を連呼した。
「(ブアカーオ戦は)とにかく勝ちたいんです。チャンスがあればKOしたいが、どんな形でもいいから勝ちたい」
 ブアカーオが当日の計量でリミットより1キロ低い69キロでパスしたことを聞かれると「(ブアカーオに)プレッシャーをかけようと。勝ちたいので、やれることは何でもやる」と考えて「率直に言えば、絞りすぎかなと。オーバーワークなんじゃないかな」と厳しく指摘した。

 守るべきものができた。今年2月に女優の矢沢心さんと結婚。人生の伴侶の全面的なサポートを受けて、日々のトレーニングだけに集中した。
「俺は家のことは何もやっていない。食事、洗濯、掃除……、全てのことをやってもらった。明日は家族や自分を応援してくれる人のために勝ちたい」と話し、「俺にも懸けるものがあるんですよ。(タイトルを獲ることは)男としての責任」と力強く言い切った。

 悲願のタイトルに向けて、コンディションは万全の状態にある。昨年に続いてリミットちょうどの70キロで計量をパス。「(コンディションは)本当に完璧ですね。今年は毎日の生活から改善した。夜12時に寝て、8時に起きる。こんなに練習したこともなかった。練習時間はそれほど変わらないんですが、質が変わった。この1年間、明日のために最高のトレーニングができたと思う」と充実の表情。「昨日は夜の9時から朝の7時まで10時間眠ることができた。こんなことは初めて。試合前日は減量がきつくて、中々眠ることができなかった。明日は最高の状態で臨める」と王座奪還へ絶対の自信を見せた。
 
 対する王者ブアカーオは終始落ち着いた様子だった。「(魔裟斗とどう闘うかは)明日、リングで相手を見ながら判断したい。KOするチャンスがあればしたい」と慎重に言葉を選んでコメント。会見に出席した谷川貞治K-1イベントプロデューサーは2人の対戦について「今日のように充実した魔裟斗君は初めて見た。以前は計量の前後に疲れた様子を見せることもあったが、今日は活き活きとしていた。逆にブアカーオは小さく見えた。計量で69キロだったと聞いて納得した」と魔裟斗を高く評価しながらも、「もちろん、選手は1日で変わるので明日は分からない。明日は延長戦までもつれる可能性もある」と接戦を予想していた。

 魔裟斗、ブアカーオの逆ブロックには05年王者のサワー、初代チャンピオンのクラウスといった歴代王者が顔を揃える。もう一人の日本人である佐藤、“伏兵”ドラゴも虎視眈々と頂点を狙う。魔裟斗とブアカーオが潰しあえば、他の選手にチャンスが転がり込む。優勝のためには3試合を勝ち抜かなければならない過酷なワンデイトーナメント。最後にリングの上に立っているのは誰か――。

■「K-1 WORLD MAX 2007 〜世界一決定トーナメント決勝戦〜」
10月3日(水) 東京・日本武道館 開場16:00 開始17:00

<オープニングファイト>
GORI(日本/PUREBRED)×亮司(日本/フリー)

<オープニングファイト>
ムラット・ディレッキー(トルコ/ユニバーサルジム)×サトルヴァシコバ(日本/勇心館)

<第1試合>※スーパーファイト
HIROYA(日本/フリー)×クォン・オルチャン(韓国/清武ジム)

<第2試合>※リザーブファイト
小比類巻貴之(日本/BRAVI RAGAZZI)×ヴァージル・カラコダ(南アフリカ/ウォリアーズMMAアカデミー)

<第3試合>※世界一決定トーナメント準々決勝
ブアカーオ・ポー.プラムック(タイ/ポー.プラムックジム)×魔裟斗(日本/シルバーウルフ)

<第4試合>※世界一決定トーナメント準々決勝
マイク・ザンビディス(ギリシャ/Zambidis Club)×アルトゥール・キシェンコ(ウクライナ/キャプテン オデッサ)

<第5試合>※世界一決定トーナメント準々決勝
アルバート・クラウス(オランダ/チーム・スーパープロ)×佐藤嘉洋(日本/フルキャスト・名古屋JKファクトリー)

<第6試合>※世界一決定トーナメント準々決勝
アンディ・サワー(オランダ/シュートボクシング オランダ)×ドラゴ(アルメニア/チーム SHOW TIME)

<第7試合>※世界一決定トーナメント準決勝
第3試合の勝者×第4試合の勝者

<第8試合>※世界一決定トーナメント準決勝
第5試合の勝者×第6試合の勝者

<第9試合>※スーパーファイト
安廣一哉(日本/正道会館)×イ・スファン(韓国/韓国体育館)

<第10試合>※世界決定トーナメント決勝
第7試合の勝者×第8試合の勝者