世界ボクシング協会(WBA)スーパーフライ級タイトルマッチは24日、東京・後楽園ホールで行われ、挑戦者で同級6位の相沢国之(三迫)はチャンピオンのアレクサンデル・ムニョス(ベネズエラ)に0−3の判定で敗れ、タイトル獲得はならなかった。
 ムニョスはことし5月に名城信男(六島)から奪回したタイトルの初防衛に成功した。戦績は33戦31勝(27KO)2敗。
 元アマ全日本王者・相沢の世界初挑戦は、不完全燃焼に終わった。
 今年5月に前王者の名城信男(六島)を破って王座に返り咲いたハードパンチャー・ムニョスを相手に、相沢は足を使いながら距離を保つ作戦。しかし序盤で強打を浴び、7回には右ストレートを顔面に受ける。同ラウンドでは、相沢のパンチでムニョスがバランスを崩す場面もあったが、相沢劣勢のまま試合が展開される。
 その後も、相沢は相手のパンチを警戒してか中に攻め込むことができない。消極的な戦いが続く中、手数ではムニョスが圧倒。9Rにはムニョスの左フックがヒットし、相沢はスリップ気味ながら痛恨のダウンを喫する。
 相沢は劣勢のまま迎えた最終12R、激しい打ち合いに応じ、見所をつくるも、すでに勝負は決していた。
 判定の結果は120−106、120−107、118−109と、2人のジャッジがフルマークをつける3−0の大差判定でムショスが初防衛に成功した。
 
 ムニョスは02年に22連続KOで世界奪取に成功したセレス小林戦から、今年5月の名城戦での返り咲きするまで、5人の日本人選手と計6度の試合を行ったが、負けなし。
 初防衛を果たし「非常に気分がいい。満足している。KOはできなかったが、相手があることだし不満はない」と喜びを語り、相沢については「忍耐強かったが、今まで対戦した日本人の中で一番弱かった」と評した。
 突破口を見いだせないままに敗れた相沢は、「情けなく、ふがいない。今までやってきたことの半分も出せなかった」と悔やんだ。

 ムニョスに、次に挑む可能性が高いのは元WBC世界スーパーフライ級王者川嶋勝重(大橋)の川嶋勝重(大橋)だ。
 この日の試合をリングサイドで観戦し、「左フックを打つときにアゴが上がる癖がある」と、早くも自分との試合を想定していたという。

 世界戦は3連敗中だが、引退を撤回して挑んだ6月の復帰戦ではKO勝ち、さらに9月5日、横浜文化体育館で行われた再起第2戦では同級3位のアディ・ウィグナ(インドネシア)を3−0の判定で下し、2連勝。復帰戦では「絶対にやってやります。絶対に世界チャンピオンになります」と力強く語った。
 王者ムニョスが持つベルトとともに、日本人初勝利を狙う。