男女体操のロンドン五輪日本代表決定競技会となるNHK杯(代々木競技場第一体育館)は5日、最終日を迎え、男子の田中和仁(徳州会)、佑典(コナミ)兄弟と、女子の田中理恵(日体大研究員)が揃って選考基準を満たし、五輪代表に決まった。日本の体操で3兄妹で五輪に同時出場するのは史上初めて。既に男子で代表内定が出ていた内村航平(KONAMI)も含め、男女5人ずつがロンドンへの切符を手にした。
 4月の全日本選手権と今回の成績を基に争った選考は男子では田中和が個人総合の合計得点(全日本は半分で計算)でトップに立ち、代表に決定。全日本を終えた時点の得点では1位だった田中和は、5種目を終えた時点では昨年の世界選手権個人総合銅メダリストの山室光史(コナミ)に逆転されていたが、ラストの鉄棒で着地までミスなくまとめ、0.400点差で2位以下の選手をかわした。

 得点の合計では最終的に2位だった山室は、つり輪でトップに立つなど種目別で上位の選手に与えられるポイントがもっとも高く初の五輪切符。協会が重点種目に指定した床と鉄棒では、それぞれ加藤凌平(順天堂大)、田中佑が高ポイントを獲得し、代表入りを決めた。

 女子は全日本選手権を初優勝した田中が、初日、最終日と安定した演技をみせ、両日で個人総合トップ。全日本との合計得点で2位以下を大きく引き離し、出場権を得た。全日本では7連覇を逃し、7位と出遅れた鶴見虹子は初日の平均台で全選手1位、最終日の段違い平行棒で同2位に入って追い上げ、総合得点で4位に滑り込んで2大会連続の五輪行きを決めた。

 その他、美濃部ゆう(朝日生命)、寺本明日香(レジックスポーツ)、新竹優子(羽衣国際大)が2大会の合計得点で上位となり、代表に決定した。美濃部と新竹は北京に続き、2大会連続出場。16歳の寺本は初めての五輪代表となる。