好調カープを支えるのが2人の外国人リリーバーである。ジェイ・ジャクソンが40試合に登板して3勝3敗、防御率1.70、20ホールド(7月6日現在)。もうひとりのブレイディン・ヘーゲンズが、33試合に登板して4勝1敗、防御率2.06、16ホールド。2人の活躍なくして、カープが今の勝率をキープすることは困難だったろう。

 

 2人ともメジャーリーグでの実績は、ほとんどない。ジャクソンはパドレスで6試合、ヘーゲンズはダイヤモンドバックスで2試合に登板しただけだ。2人に目を付けた駐米スカウト、エリック・シュールストロムの慧眼には恐れ入る。

 

 この2人には共通点がある。ジャクソンは身長185センチ、ヘーゲンズは身長190センチ。2人とも長身である。

 

 もっと言えばエースのクリス・ジョンソンは身長193センチの大男である。

 

 米国のマウンドは日本に比べて総じて硬いため、スパイクでしっかり土を噛み、上から投げ下ろすタイプが主流である。日本のピッチャーが下半身主導なら、米国や中米のピッチャーは上半身主導という言い方もできる。

 

 つまり、カープの長身外国人ピッチャーが活躍している理由のひとつとして「日本人には出せない腕やヒジの角度」があると思われる。ジャクソンは外国人としてはレギュラーサイズだが、真上から投げ下ろす。こうした資質を見抜いて日本に送り込んだシュールストロムのファインプレーと言っていいだろう。

 

 カープは“有事”の際の保険として、4人目の外国人投手スティーブ・デラバーの獲得も発表した。このピッチャーも身長195センチの大男である。

 

(このコーナーは二宮清純が第1、3週木曜、書籍編集者・上田哲之さんは第2週木曜を担当します)


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