17日、神奈川・横浜アリーナで「HERO’S 2007 〜ミドル級世界王者決定トーナメント決勝戦〜」が行われ、前年度王者のJ.Z.カルバン（ブラジル/アメリカントップチーム）が準決勝でビトー“シャリオン”ヒベイロ（ブラジル/ノヴァウニオン）にわずか１Ｒ35秒でTKO勝ち、決勝ではアンドレ・ジダ（ブラジル/シュートボクセ・アカデミー）に１Ｒ４分48秒、腕ひしぎ十字固めで一本勝ちし、２連覇を達成した。
日本人ファイターでただ一人決勝トーナメントに進出した宇野薫（日本/和術慧舟會東京本部）は準決勝でジダに判定０−３で敗れ、悲願の優勝はならなかった。
このほか、スーパーファイトでは８カ月半ぶりに総合のリングに復帰した山本“KID”徳郁（日本/KILLER BEE)が、ビビアーノ・フェルナンデス（ブラジル/グレイシー・バッハ）に判定勝ち。
桜庭和志（日本/チーム桜畑）対柴田勝頼（日本/ARMS）は、桜庭が１Ｒ６分20秒、腕ひしぎ十字固めで一本勝ちをおさめた。桜庭は試合後、リング上から、セコンドとして来場したヒクソン・グレイシーの名を挙げ対戦を呼び掛けた。
セルゲイ・ハリトーノフ（ロシア/CLUB VOLK HAN）はアリスター・オーフレイム（オランダ/ゴールデングローリー）に１Ｒ４分21秒、TKO勝利を果たした。
宇野、無念の準決勝敗退
昨年準優勝の宇野は準決勝でジダと対戦。相手の右アッパー、跳びひざを浴び、出血するなど苦戦。２ラウンドにはテークダウンを奪いチャンスを得るが、ジダはうまく逃れる。寝技に勝機を見出したい宇野だったが仕留めることができず、判定３−０でジダが勝利。「３度目の正直」で優勝を目指した宇野だったが、準決勝で涙を飲んだ。
王者カルバンがその強さを見せつけた。準決勝の相手は、優勝候補にもあげられていたビトー“シャオリン”ヒベイロ。だがカルバンは試合開始早々、足をかけテークダウンを奪と、すぐさまパウンドからの連打を浴びせる。実力者・ヒベイロに何もさせず、わずか35秒でTKO勝利をあげた。
決勝の相手は、準決勝で宇野を破ったシュートボクセの新星アンドレ・ジダ。序盤でジダの強烈な右フックを浴びる場面もあったが、テークダウンで寝技の展開に持ち込むとじわじわと攻める。肩固めを極めようとするも逃れられるが、そこからジダの右腕を伸ばし切った。
王者の貫録で２連覇を達成したカルバンは「今日ここに来るまで、家族やたくさんの人たちの支えがありました。その人たちが喜んでくれれば私も嬉しい。決勝はタイミングが合えば寝技でいこうと思っていた。トレーニング中にけがをして肉体的に完璧ではなかったが、最終的にひとつのチャンスを逃さずに試合を進めていこうと思い、その通りにできた」と喜びを語った。
試合結果は以下のとおり。
＜第10試合＞ ※トーナメント決勝戦
○J.Z.カルバン（ブラジル/アメリカントップチーム）
一本1R4分48秒 腕ひしぎ十字固め
×アンドレ・ジダ（ブラジル/シュートボクセ・アカデミー）
＜第９試合＞ ※スーパーファイト
○山本“KID”徳郁（日本/KILLER BEE)
判定 3−0
×ビビアーノ・フェルナンデス（ブラジル/グレイシー・バッハ）
＜第８試合＞ ※スーパーファイト
○桜庭和志（日本/チーム桜畑）
一本 1R6分20秒 腕ひしぎ十字固め
×柴田勝頼（日本/ARMS）
＜第７試合＞ ※スーパーファイト
○セルゲイ・ハリトーノフ（ロシア/CLUB VOLK HAN）
TKO 1R4分21秒
×アリスター・オーフレイム（オランダ/ゴールデングローリー）
＜第６試合＞ ※スーパーファイト
○メルヴィン・マヌーフ（オランダ/ショータイム）
TKO 1R4分21秒
×ファビオ・シウバ（ブラジル/シュートボクセ・アカデミー）
＜第５試合＞ ※スーパーファイト
○ユン・ドンシク（韓国/フリー）
一本 1R1分29秒 腕ひしぎ字固め
×ゼレグ“弁慶”ガレシック（クロアチア/チーム・トロージャン）
＜第４試合＞ ※スーパーファイト
○ミノワマン（日本/フリー）
TKO 2R0分42秒
×ケビン・ケーシー（USA/ヒクソン・グレイシー柔術アカデミー/北米ブラジリアン柔術トーナメント2006ヘビー級王者）
＜第３試合＞ ※トーナメント準決勝
○J.Z.カルバン（ブラジル/アメリカントップチーム）
TKO 1R0分35秒
×ビトー“シャリオン”ヒベイロ（ブラジル/ノヴァウニオン）
＜第２試合＞ ※トーナメント準決勝
○アンドレ・ジダ（ブラジル/シュートボクセ・アカデミー）
判定 3−0
×宇野薫（日本/和術慧舟會東京本部）
＜第１試合＞ ※トーナメントリザーブマッチ
○宮田和幸（日本/フリー）
一本 1R1分13秒 腕ひしぎ十字固め
×ハービー・ハラ（イギリス／シュプリーム マーシャルアーツ）