7日、「2012ロンドン五輪バレーボール世界最終予選」(男子)第5戦が行なわれ、日本は高さとパワーを兼ね備えた豪州と対戦。スタートから気合いの入ったプレーを見せた日本は逆にブロックで豪州の攻撃を止め、ストレート勝ち。貴重な勝ち点3を獲得した。

日本 3−0 豪州
(25−22、25−23、25−12)
 前日、中国戦に敗れ、通算2勝2敗とした日本。7日、首位のセルビアがプエルトリコにストレート勝ちし、5戦全勝、勝ち15としたため、日本の首位通過の可能性は完全に消滅した。そのため、2位以下でのアジア最上位となることが、日本にとって唯一残されたロンドンへの道。望みをつなげるには、同じアジア勢の豪州に負けるわけにはいかなかった。

 第1セット、日本はWS石島雄介、WS清水邦広と立て続けに豪州の高いブロックにつかまり、1−3とリードを許した。しかし、ここからサイド、センターと多彩な攻撃でブロッカーを振り、8−7と逆転に成功した。さらに9−9からMB山村宏太の速攻、石島のレフトからのクロススパイクが決まり、相手のミスも重なって12−9とリードを広げる。一時は豪州に追いつかれるも、14−14からWS福澤達哉、山村とポイントを挙げ、再びリードを奪った。しかし、豪州も粘りを見せる。サイド、センターから高さのある強烈なスパイク、時には意表をついたフェイントでポイントを重ねた。だが、この日の日本は最後まで集中力を切らさなかった。終盤にはセンター陣が活躍。MB松本慶彦がブロック、速攻を次々と決めると、最後は山村がそれまでほぼ完璧にやられていた豪州の速攻をブロックで止め、日本は最高のかたちでこのセットを先取した。

 第2セット、序盤は豪州がわずかながらリードを奪い、流れを引き寄せる。しかし、日本は清水、福澤、石島のサイド陣が奮闘し、追い上げた。すると中盤、豪州にミスが続き、日本は逆転に成功する。終盤、豪州も粘りを見せるも、日本は苦しみながらもリードを守りきり、勝ち点3獲得に王手をかけた。

 第3セットはスタートから日本のスパイク、ブロックがさえ渡り、序盤で早くも主導権を握った。すると、中盤には山村が連続で相手の速攻をブロックで止めると、負けじと石島はサイドからのスパイクをシャットアウト。福澤のラッキーなサービスエースもあり、日本は怒涛の8連続ポイントを奪った。すると、豪州のスパイクにミスが出始める、長身揃いの大男たちが明らかに日本のブロックを嫌がっていた。そして山村がこの試合8本目となるブロックポイントを挙げ、日本がマッチポイントを迎える。最後は豪州のミスで日本のポイントとなり、ストレート勝ち。日本は勝ち点3を挙げ、ロンドン五輪出場に望みをつなげた。

 試合後、植田監督は次のように語った。
「今日は本当に選手たちが1本1本集中してやってくれた。いろんな悪い状態から這い上がっていくということを、これまでずっとチームの約束としてやってきた。そのことが今日の3セットに詰まっていたと思う。ただ、これからが本当の戦い。1戦1戦、気持ちを引き締めて戦っていきたい」
 貴重な勝ち点3を挙げ、通算3勝2敗、勝ち点8で4位に浮上した日本だが、2位にはイラン、3位には豪州とアジアのライバルが上回っており、ロンドンへの黄信号が消えたわけではない。果たして日本は危機的状況を乗り越え、2大会連続の出場を果たすことができるのか。プエルトリコ、そしてイランとの残り2試合に全てをかける。