「マツダオールスターゲーム2012」第1戦が20日、京セラドーム大阪で行なわれた。初出場となった陽岱鋼(北海日本ハム)の先頭打者ホームランで全パが先制したが、中村紀洋(横浜DeNA)の特大アーチで全セが逆転。その後、2点を追加した全セがそのまま逃げ切り、初戦を制した。先発を託された斎藤佑樹(北海道日本ハム)は3回6安打3失点、杉内俊哉は2回1安打1失点だった。

◇第1戦
 中村紀、11年ぶりのMVP(京セラドーム大阪)
全セ   4 = 021010000
全パ    1 = 100000000
勝利投手 杉内
敗戦投手 斎藤佑
セーブ   バーネット
本塁打  (セ)中村紀1号2ラン
       (パ)陽1号ソロ
「今年も野球がひとつになる。」をスローガンに開催された“夢の祭典”は、ファン投票1位を獲得し、昨年に続いての出場となった斎藤佑樹の快投で幕を開けた。注目の第1球、宣言通りストレートを投げ込んだ斎藤は、先頭の長野久義(巨人)を三球三振に仕留めると、鳥谷敬(阪神)、ラミレス(DeNA)を内野ゴロに打ち取り、幸先よいスタートを切った。

 すると、チームメイトの快投に触発されたように、その裏、陽が全セの先発・杉内の真ん中高めのストレートをライトスタンドへ。オールスター初打席で先頭打者ホームランを放ち、全パが先制した。

 しかし、この日の主役は彼らではなかった。京セラドーム大阪を古巣とする中村紀洋(DeNA)が2回表、1死からバレンティン(東京ヤクルト)を一塁に置いての場面、初球、真ん中高めのストレートをフルスイングすると、打球はきれいな弧を描いてレフトスタンドへ。健在ぶりをアピールするには十分の逆転2ランとなった。全セはなおも1死満塁とするも、ここは斎藤佑が踏ん張った。長野を併殺打に打ち取り、追加点を許さなかった。

 3回表にはバレンティンのラッキーな内野安打、さらに5回表にもバレンティンの犠飛で1点ずつを追加した全セが3点のリードを奪う。一方、全パは2回裏、杉内に三者凡退に切って取られると、その後も館山昌平(ヤクルト)、ルーキーの田島慎二(中日)、能見篤史(阪神)、そして最後は山口鉄也(巨人)にほぼ完璧に抑えられた。現在、本塁打、打点とリーグ2冠で、試合前のホームラン競争では優勝した李大浩も3打数無安打に終わった。

 全セも6回以降は、青山浩二(東北楽天)、森福允彦(福岡ソフトバンク)、平野佳寿(オリックス)、岸田護(オリックス)から1本もヒットを放つことができなかったが、中村の一発で逆転勝ちを収めた。これで対戦成績は全セの72勝77敗9分となった。

 MVPには特大の逆転2ランで試合を決めた中村紀が、2001年の第3戦以来11年ぶりに選ばれた。敢闘賞には史上15人目となる初打席初本塁打を放った陽が選ばれた。第2戦は明日21日、愛媛・坊っちゃんスタジアムで開催される。