「マツダオールスターゲーム2012」第2戦が21日、松山・坊っちゃんスタジアムで行なわれた。全セはウラディミール・バレンティン(東京ヤクルト)の適時打で先制。その後は坂本勇人(巨人)のホームランなどで3点を追加し、守っては前田健太(広島)ら4投手の完封リレーで逃げ切り、全セが初戦に続き勝利した。

◇第2戦
 前田健、8年ぶりの投手MVP(松山)
全パ   0 = 000000000
全セ   4 = 10200100×
勝利投手 前田健
敗戦投手 成瀬
本塁打  (セ)坂本1号2ラン
 前田健、坂本とセ界を牽引する“黄金世代”の2人が球宴でも魅せた。

 全セの先発を任されたのは、リーグ先発部門ファン投票1位の前田健だ。今季は、これまでノーヒットノーランを達成するなど、勝利数(9勝)と防御率(1.40)はリーグトップ。前田健は、「力勝負で、いいピッチングができた」と、シーズンの勢いそのままにストレート中心の強気なピッチングで全パ打線に挑んだ。

 広島の若きエースは、初回を三者凡退に切って取ると、2回表には、試合前のホームラン競争で場外弾を連発し優勝したウィリー・モー・ペーニャ(福岡ソフトバンク)と対戦。フルカウントから臆することなく、インコースのストレートを投げ込み詰まったセカンドフライに打ち取った。その後も全パの強打者たちに出塁を許さず、3回1死までパーフェクトピッチング。「できればノーヒットでいきたかった」と、田中賢介(北海道日本ハム)に打たれたヒットを悔しがったが、後続をきっちり抑え、全パ打線を力でねじ伏せた。

 投のヒーローが前田健なら、打のヒーローは坂本だ。初回に成瀬善久(千葉ロッテ)からショートへの内野安打で出塁。続く和田一浩(中日)のピッチャー強襲安打で二塁へ進むと、バレンティンのレフト前への適時打で先制のホームを踏んだ。

 3回裏の第2打席は、ランナーを一塁において迎える。マウンド上には吉川光夫(日本ハム)。キレのあるストレートを武器に今季ブレークを果たした同級生との対決となった。坂本は「真っすぐだけを狙ってました」と、吉川のウイニングショットに狙い球をしぼった。その言葉通り、2球目のストレートを綺麗に弾き返し、レフトスタンド中段へ。“黄金世代”の活躍で全セが序盤に3点をリードした。

 全セは6回裏に昨日のMVP・中村紀洋(横浜DeNA)がタイムリーを放ち、追加点をあげる。投手陣は、4回から内海哲也(巨人)、野村佑輔(広島)、藤川球児(阪神)とつないで全パに1点も許さぬ完封リレーで試合を締めた。

 敗れた全パはヒット4本と貧打に泣いた。10年ぶりに開催された松山でのオールスター。四国アイランドリーグ出身で、活躍が期待された角中勝也(ロッテ)はスタメン出場も4打数ノーヒットに終わり、悔しい“凱旋”となった。

 MVPには勝利投手の前田健が輝いた。投手のMVPは2004年第1戦での松坂大輔以来。一昨季の沢村賞右腕が、新黄金世代の旗頭としての役目を見事に果たした。敢闘賞には坂本と3回無失点と好投したルーキーの野村が選ばれ、全パからは4回裏に好守備をみせた明石健志(ソフトバンク)が受賞した。全セの連勝となった今季のオールスターは、東日本大震災の復興支援としてオールスター初開催の岩手県営野球場で第3戦を23日に実施する。先発は全パが田中将大(東北楽天)、全セが三浦大輔(DeNA)。