現地時間18日、リオデジャネイロパラリンピックの男女マラソン(視覚障害)が行われた。今大会が初採用となった女子は道下美里(三井住友海上保険)が3時間6分52秒で2位に入り、銀メダルを獲得した。近藤寛子(滋賀銀行)は5位、西島美保子(JBMA)は途中棄権した。男子は岡村正広(RUN WEB)が2時間33分59秒で3位。2回目の出場で銅メダルを手にした。堀越信司(NTT西日本)は4位、和田伸也(賀茂川パートナーズ)は5位だった。

 

 競技最終日に男女マラソンでいずれも表彰台に上がった。

 

 男子11人、女子7人が一斉スタートとなった男女マラソン。リオデジャネイロの観光地として有名なコパカパーナ海岸沿いを走った。

 

 岡村、堀越、和田の3人が出場した日本男子は序盤から先頭グループに離される苦しい展開でスタートした。中でも粘りを見せたのが岡村だ。中盤にペースを落として30キロ通過まではメダル圏外にいたが、徐々にペースを取り戻していく。トップを走っていたグスタボ・ニエベス(スペイン)が途中棄権したため、3位に浮上した。エルアミン・チェントウフ(モロッコ)、アルベルト・スアレスラソ(スペイン)には及ばなかったものの、2時間33分59秒でフィニッシュ。銅メダルを手にした。

 

 46歳の岡村はロンドンパラリンピックでは4位だった。「4年間頑張り続けて、ようやく努力が実った」。念願の表彰台に上がって、その表情は誇らしげだった。

 

 一方、今大会から正式種目となった女子は道下、近藤、西島の3人が挑んだ。昨年の世界選手権銅メダリストの道下が、銀メダルを獲得。「悔しさもありますが、銀メダルが今の私にとって最高のメダルだと思います」と喜んだ。

 

「不安も全くなく走ることができました」と、ガイドランナーと共に自分のペースを貫いた。15キロ通過地点までは4位だったが、焦らず順位をひとつずつ上げていった。身長144センチと小柄な道下。照り付ける日差しを浴びながらも、力強くピッチを刻み続けた。

 

 3時間1分43秒でゴールした金メダルのエレーナ・コンゴスト(スペイン)には、5分9秒を遅れてのフィニッシュ。両手を挙げてゴールラインを通過した。初代女王にはなれなかったが、確かな足跡を残して見せた。

 

(文/杉浦泰介)