メジャーリーグのプレーオフ・リーグチャンピオンシップは15日、アメリカンリーグでデトロイト・タイガースがニューヨーク・ヤンキースを3−0で下し、敵地で連勝を収めた。試合はタイガースがアニバル・サンチェス、ヤンキースが黒田博樹と両先発による投手戦。7回にタイガースが内野ゴロの間に先制して均衡を破ると、8回に2死から4連打で2点を追加し、勝負を決めた。中3日の登板で8回途中まで投げたものの5安打3失点。1番に打順が上がったイチローは4打数0安打だった。第3戦はタイガースのホームに場所を移し、17日に行われる。
◇ア・リーグ
 ヤンキース、散発4安打と打線不発(タイガース2勝、ヤンキー・スタジアム)
デトロイト・タイガース    3 = 000000120
ニューヨーク・ヤンキース  0 = 000000000
勝利投手 A.サンチェス(1勝)
敗戦投手 黒田(1敗)
セーブ   コーク(1S)

 背番号18の力投も勝利には結びつかなかった。
 前日の試合でデレク・ジーターが左足首を骨折。主砲のアレックス・ロドリゲス、ロビンソン・カノが不調と打線がつながらないヤンキースにとって、先発の黒田にかかる役割は大きかった。

 黒田はベンチの期待に十分応えた。初回から変化球の制球が冴え、3回までに早くも7つの三振を奪う。5回まではタイガース打線をパーフェクトに封じた。しかし、ヤンキースは初回の2死一、二塁のチャンスを逃すと、6回に先頭のイチローがエラーで出塁して三塁まで進んだものの、あと1本が出ず、右腕を援護できない。

 すると7回、中3日ながら好投していた黒田がつかまる。先頭のクインティン・ベリーに、この日の初の長打を打たれると、ミゲル・カブレラにうまくライトへ合わされて一、三塁。続くプリンス・フィルダーは空振り三振に仕留め、5番のデルモン・ヤングはショートゴロに打ち取ったものの、ゲッツー崩れとなり、1点を先制された。

 なおも8回は不運が重なる。2死一塁からオースティン・ジャクソンがライト前ヒット。一塁走者が二塁をオーバーランし、ライトからの返球が二塁から送られる。タイミングはアウトに見えたが判定はセーフ。ジョー・ジラルディ監督が退場になるほどの激しい抗議を判定を行ったが覆らず、黒田は走者を残したまま、マウンドを後続に託す。

 しかし、この継投が裏目に出た。さらに2本のヒットを続けられ、現状のヤンキースにとっては厳しい2点がスコアボードに刻まれる。打撃好調だったジーターが抜けた1番に座ったイチローは前日の4安打から一転してノーヒット。劇的な一発を放ってきたラウル・イバネスを4番に据えているが、好機では勝負を避けられてしまう。巻き返しには30球団ナンバーワンのホームラン数を誇る打線の復調が不可欠だ。


 この日から始まったナショナルリーグのチャンピオンシップではセントルイス・カージナルス(ワイルドカード、中地区2位)がサンフランシスコ・ジャイアンツ(西地区優勝)を6−4で破り、初戦を制した。カージナルスはデービット・フリースの2ランで先制すると、4回にはカルロス・ベルトランの2ランなどで4点を追加。6−0と大きくリードする。しかし、ジャイアンツも直後に5安打を集中して4点を返し、試合は分からなくなる。2点差に迫られたカージナルスは5回以降、必死の継投。8投手をつぎ込んで、このリードを何とか守り切った。

◇ナ・リーグ
 ムヒカ、3者連続三振の好救援(カージナルス1勝、AT&Tパーク)
セントルイス・カージナルス   6 = 020400000
サンフランシスコ・ジャイアンツ 4 = 000400000
勝利投手 ムヒカ(1勝)
敗戦投手 バムガーナー(1敗)
セーブ   モット(1S)
本塁打  (カ)フリース1号2ラン、ベルトラン1号2ラン