今季の独立リーグ日本一を決める日本独立リーグ・グランドチャンピオンシップ2012が20日、開幕した。高松市のレクザムスタジアムで行われた第1戦はBCリーグ王者の新潟アルビレックスBCが四国アイランドリーグPlus王者の香川オリーブガイナーズを2−0で破り、初戦を制した。新潟は今季最多勝(14勝)右腕の寺田哲也が7回を投げて4安打無失点の好投。4回に奪った2点を完封リレーで守りきった。21日の第2戦も引き続き同スタジアムで行われる。
 間曽も2回無失点の好救援(新潟1勝0敗、レクザム、1,277人)
新潟アルビレックスBC   2 = 000200000
香川オリーブガイナーズ  0 = 000000000
勝利投手 寺田(1勝0敗)
敗戦投手 渡辺(0勝1敗)
セーブ   間曽(1S)

 大事な初戦で、エースが流れをつくった。
 新潟先発の寺田は今季、最多勝と最多奪三振の2冠を獲得。福井とのリーグチャンピオンシップでも初戦に登板し、勝利に貢献した。立ち上がりは2死から内野のエラー2つでピンチを招くが、5番・国本和俊をショートゴロに仕留め、先制を許さない。対する香川の先発はルーキーの渡辺靖彬。愛媛とのリーグチャンピオンシップでも初戦を任された右腕も2回の1死一、二塁をしのぎ、序盤はお互いに走者を出しながら無得点が続く。

 均衡が破れたのは4回。新潟は先頭打者が四球で出塁すると、続く5番・荒井勇介がストライクを取りに来た甘い球を逃さない。打球は右中間を破るタイムリー三塁打。続く兼任コーチの青木智史もライト線にフェンス直撃の当たりを放ち、あっという間に2点を先行する。渡辺は先頭打者への四球から崩れ、次の打者にもヒットを浴びたところで降板した。

 この2点が寺田のピッチングを加速させる。4回、5回と2イニング連続の3者凡退。6回には無死一塁からバントヒットでチャンスを拡大されるが、1死後、ウィルバー・ペレスの打席でキャッチャーの平野進也が一塁走者の二盗を刺し、右腕を守り立てる。寺田は緩急をつかってペレスを空振り三振に仕留め、この回も0点で切り抜けた。

 香川は2番手の西村拓也が好リリーフ。7回途中まで投げて新潟打線から5個の三振を奪う。その後も継投で相手を5回以降、無安打に抑え、反撃のチャンスをうかがった。しかし、この日は新潟投手陣のほうが一枚上手だった。寺田からマウンドを受け継いだ間曽晃平が走者を出しながらも踏ん張り、エースがつくった流れを手放さなかった。

 香川は同チャンピオンシップでホームでは無敗を誇っていたが、攻撃がつながらず、初黒星。BCリーグを圧倒的な強さで制した新潟はいい形で敵地での1勝を収めた。

<アイランドリーグ選抜、初勝利 〜フェニックス・リーグ〜>

 みやざきフェニックス・リーグに参戦中の四国アイランドリーグPlus選抜は20日、東京ヤクルトと対戦し、8−4で初勝利をあげた。1点を先制されたリーグ選抜は2回に村上祐基(高知)のタイムリーなどで逆転に成功する。3回にも金城雅也(愛媛)の2ランで得点を追加すると、5回までに計7点をあげてリードを広げた。先発の山中智貴(高知)も5回1失点とゲームをつくった。リーグ選抜は11試合目でようやく勝利し、通算成績は1勝8敗2分。21日には宮崎市の生目の杜第2野球場で斗山ベアーズと対戦する。

 今中(高知)、タイムリー含む猛打賞(西都原運動公園)
アイランドリーグ選抜 8 = 022210100
東京ヤクルト      4 = 100000120  
[ア] 山中(高)−山口(徳)
[ヤ] ウーゴ−太田−阿部
本塁打  (ア)金城(愛)2ラン

【関西独立リーグ】

<兵庫、3期連続優勝>


 関西独立リーグの後期シーズンは20日、優勝へのマジックを「1」としていた兵庫ブルーサンダーズが2位06ブルズとの直接対決で引き分け、成績を17勝7敗6分として、2試合を残して優勝をおさめた。兵庫は昨季の後期から3期連続優勝。後期の兵庫はケガから復帰した門中聡が7勝をあげ、防御率0.83と磐石のピッチング。抑えの土肥翔治につなぐリレーで白星を重ねた。11月3日から始まるリーグチャンピオンシップ(3戦先勝制)では前後期制覇のアドバンテージを1勝得て、年間勝率2位の06と対戦する。