ニューヨーク・ヤンキースからFAとなっているイチローと黒田博樹が来年3月に行われるWBCの出場を辞退した。NPBが19日、発表した。この結果、山本浩二監督が出場をオファーした日本人メジャーリーガーはダルビッシュ有(レンジャーズ)、岩隈久志(マリナーズ)、青木宣親(ブルワーズ)、川崎宗則(マリナーズを自由契約)と全員に断られた形となり、国内組のみで3連覇を目指すことが濃厚となった。
 予想されていた結果とはいえ、厳しい現実が突きつけられた。
 イチローは第1回、第2回大会と連続出場。日本の顔として連覇に貢献した。しかし、前の所属先であるマリナーズと複数年契約を結んでいた過去2大会とは異なり、このオフはFAの立場。まだ所属先が決まっていない中では、出場の決断を下すのは難しいと見られていた。

 また黒田は今季、16勝を挙げ、ヤンキースのローテーションの中心として活躍。現在、ヤンキースも含めた争奪戦が繰り広げられている。山本浩二監督は広島時代の監督でもあり、出場すれば侍ジャパンの大黒柱として期待されていた。ただ、前回大会もシーズン前の調整優先を理由に出場を断っており、山本監督本人も参加は難しいとの見解を示していた。

 国内の若手主体のメンバーでキューバに連勝したとはいえ、本番の戦いはまだ違う。キューバのみならず、韓国や米国、ドミニカ共和国と強豪がひしめく中、メジャーリーグを主戦場とする選手がいない点は大きな痛手だ。NPB内でも、主砲の中村剛也(埼玉西武)らケガで出場が微妙な選手もいる。限られた中から、どんな選手を選考し、いかに戦うか。山本監督の手腕が一層問われるWBCになる。