23日、日本ハムの糸井嘉男外野手、八木智哉投手の2選手と、オリックスの木佐貫洋投手、大引啓次内野手、赤田将吾外野手の3選手との交換トレードが成立し、両球団から発表された。糸井は3番打者として昨季のリーグ優勝にも貢献。ベストナインに輝き、3月に開催されるWBCの日本代表候補にも選ばれている。一方、木佐貫はローテーション投手で、大引はショートのレギュラー。チームの中心とも言える選手を互いに交換する近年では異例の大型トレードとなった。
 最下位脱出へ即戦力を求めるオリックスと、将来を見据えたチームづくりを進める日本ハム。両者の思惑が一致したかたちのトレードだ。
 今季10年目の糸井は高い身体能力を生かし、走攻守そろった日本でもトップクラスの外野手だ。しかし、このオフは契約更改交渉が難航。交渉では近い将来のポスティングシステムを利用してのメジャーリーグ移籍の希望を伝えていた。

 日本ハムは今季は田中賢介がFA権を行使して、サンフランシスコ・ジャイアンツとマイナー契約を結んでおり、さらなる主力の流出は避けたいところだった。ならば糸井をトレードに出してでも、一定の活躍が見込める選手を獲得した方が得策との判断が働いたとみられる。特に内野はショートの金子誠が36歳と後継者が必要な時期にさしかかり、28歳の大引は年齢的にも後釜として期待が持てる。

 対するオリックスは森脇浩司新監督の下、変革の年を迎えている。オフには先発要員として東野峻らをトレードで獲得し、野手では平野恵一が阪神から復帰する。昨季はチーム打率、得点ともにリーグ最低だっただけに中軸を任せられる選手の補強は急務だった。また、先発左腕も不足しており、糸井と八木はチームの弱点を埋めてくれる存在だ。キャンプインまで残り10日を切っての電撃トレードが双方のチームにどんな結果をもたらすのか。今季の戦いで答えが出る。