31日、日本サッカー協会は2月6日のキリンチャレンジカップ2013ラトビア代表戦(FIFAランク104位、神戸・ホームズ)に臨む日本代表(同22位)23名を発表した。MF海外クラブ所属選手からは香川真司(マンU)、本田圭佑(CSKAモスクワ)ら主力を順当に招集した一方、ロンドン五輪代表のFW大津祐樹(フェンロ)を初選出している。国内組から選ばれたのはMF遠藤保仁(G大阪)ら8名。GK林卓人(仙台)が昨年2月のアイスランド戦以来に代表復帰を果たした。
 日本はラトビア戦が2013年の初戦となり、ブラジルW杯最終予選ヨルダン代表戦(3月26日、ヨルダン)に向けた貴重なテストマッチとなる。
 ロンドンを沸かせた男がついにザックジャパン入りだ。大津は昨年のロンドン五輪でチーム最多の3得点をマーク。今季は出場機会を求めてドイツからオランダのVVVフェンロに移籍した。序盤こそ出番に恵まれなかったものの、現在は4試合連続でスタメンに名を連ねている。

「左右のMF、トップ下、状況によってはセンターFWとしてもプレーできるユーティリティーな能力がある」
 アルベルト・ザッケローニ監督は大津への評価をこう語った。代表に合流できるのは試合前日で日数は少ないが、指揮官が「手元に置いて見てみたい」と招集を熱望したという。

 ザックジャパンの2列目は香川、本田、清武弘嗣(ニュルンベルク)、岡崎慎司(シュツットガル)が居並ぶ激戦区だ。そこに割って入るのは容易ではない。しかし、指揮官が「試合で見せる思い切りの良さ、パーソナリティーは魅力」と語るように、大津の特徴はボールを持てば仕掛けるという積極性だ。彼ほど敵にアタックしていく選手は今の代表にはいない。その意味で、ザッケローニ監督は大津を新たなオプションをもたらす選手として見ているのだろう。

 これまでもMF柴崎岳(鹿島)やFW久保裕也(京都)ら若手選手を招集したことはあるものの、代表の空気を体感させることが主な目的で実戦では起用しなかった。しかし、ザッケローニ監督は大津に関して「可能性があれば使いたいし、ピッチでも見てみたい」と起用を示唆。果たして大津は指揮官の期待に応えられるか。

 また今回は大津をはじめ、代表23名のうち15名が海外組という偏ったメンバー構成となった。ザッケローニ監督は次のように理由を明かした。
「シーズン中で、試合勘のあるメンバーを招集したかった。(Jリーグ開幕前の)国内組の選出基準としては、いつ(所属クラブの)キャンプが始まったか、トレーニングを何回しているのかを見極めた」
 そしてDF駒野友一(磐田)とMF中村憲剛(川崎F)を引きあいに「代表チームの常連で漏れている選手もいるが、彼らについては、“代表から漏れた”という認識は持ってほしくない」とも語り、選考に時期的な影響があることを強調した。

 指揮官が最優先事項に掲げる早期のW杯出場権獲得へ。目標達成に向けたリスタートとなるラトビア戦は、結果と内容が伴うサッカーが求められる。

<日本代表メンバー23名>

GK
林卓人(ベガルタ仙台)
川島永嗣(スタンダール・リエージュ)
権田修一(FC東京)
DF
今野泰幸(ガンバ大阪)
伊野波雅彦(ジュビロ磐田)
水本裕貴(サンフレッチェ広島)
長友佑都(インテル・ミラノ)
内田篤人(FCシャルケ04)
吉田麻也(サウサンプトン)
酒井宏樹(ハノーバー96)
酒井高徳(シュツットガルト)
MF
遠藤保仁(ガンバ大阪)
長谷部誠(ヴォルフスブルク)
細貝萌(バイエル・レバークーゼン)
高橋秀人(FC東京)
FW
前田遼一(ジュビロ磐田)
岡崎慎司(シュツットガルト)
本田圭佑(CSKAモスクワ)
ハーフナー・マイク(フィテッセ)
乾貴士(アイントラハト・フランクフルト)
香川真司(マンチェスター・ユナイテッド)
清武弘嗣(1FCニュルンベルク)
大津祐樹(VVVフェンロ)