香川の巻き返しには”又吉級”の出現が必須

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 5月28日、四国アイランドリーグplusの前期日程が終了しました。4月1日に開幕してからあっという間の34試合、香川オリーブガイナーズは3位に終わりました。今年の香川は新人選手も多く、実戦経験が浅いままシーズンに入りました。5月になってようやくチームとして形になってきましたが、やはり経験不足が最後まで響いた格好ですね。

 

 成長感じられる先発陣

 そんな中でピッチャーの軸と期待した原田宥希はまずまずの活躍を見せてくれました。フォームのバランスが良くなったことで安定感が出た。なるべく完投させようという方針で最後まで試合を任せることも多かったのですが、4勝をあげてくれました。終盤も「負ければ最下位転落」という試合で踏ん張ってくれて、成長の跡が感じられました。

 

 投手陣では他に秀伍が3勝をあげてローテーションの一角を担いました。彼は社会人時代は野手でしたがそこを辞めた後、「また投手をやりたい」とアイランドリーグのトライアウトを受けて香川に入りました。最初はストライクとボールがはっきりしていましたが、徐々にピッチャーらしくなって、今は球速も147~148キロくらい出ています。今後は体力をもっとつけて、スライダーとチェンジアップに加えてもう1つ変化球を覚えてほしいですね。この2人に高原暢裕を加えた先発3本柱はシーズンを通して機能したと思っています。

 

 ただ先発陣と比べて中継ぎ、リリーフが不安定でした。ガルシアがケガをして登板できず、ポーランド人左腕のストルザルカは安定感がなかった……。投げてみないとその日の調子が分からないというタイプなので、後期はその辺りを鍛えていきたいと思っています。

 

 野手では2年目の小牧泰士、3年目の加藤次郎がショート、セカンド、サードを守りユーティリティプレーヤーとして活躍してくれました。守備には大活躍でしたが、ただ攻撃面では加藤はもっと打ってほしかったし、井戸川祐太、岡村瑞希、そしてクリスという主軸にもっと成績を残してもらいたかった。特にクリスはその長打力をこちらも期待しているのでホームラン2本は物足りない。後期はホームランをもっと打ち、そして打点を稼いでチームに貢献してもらいたいですね。

 

 インパクトプレーヤーを待望

 長打といえば当初、龍谷大出身のルーキー、中村崇友紀に1年目からの活躍を期待していました。彼は188センチと恵まれた体格なのですが、その割にまだバットのヘッドスピードが上がっていないんです。大学時代は4番を打っていた選手なので、これからもっと伸びてくれると思っています。

 

 3位に終わりましたが、伸びしろという面では香川は非常に楽しみな選手ばかりです。何よりも実戦経験が足りないと思っているので6月、7月のインターバルには週1回は練習試合を組み、どんどんと経験を積ませたいと考えています。試合以外では練習もそうですが、選手はトレーニングをして体を強くしてほしいですね。後期に入ったらまたあっという間にシーズンが終わってしまうので、打者はバットを振り込み、投手は投げ込みをきちんとして成長してもらいたいです。

 

 香川球団出身者では今季、中日の又吉克樹が先発に転向して話題を集めています。プロでは3年連続して60試合以上を投げた又吉は、本当に香川時代から体の強い選手でした。13年は先発で前期7勝(通年13勝)をあげて優勝に導いてくれましたが、今、香川にはああいう又吉みたいな選手が必要です。投手でもいいし、野手でもいい。ラグビーでいうところのインパクトプレーヤーの出現が必須ですね。

 

 優勝した徳島インディゴソックスは投打にわたって活躍したハ・ジェフンがいたし、高知ファイティングドッグスは元メジャーのスーパースター、マニー・ラミレスの存在が大きかった。伸びしろのある香川の選手の中から、後期に向けてそういう選手が出てくるかどうか。監督の私も楽しみにしています。最初に名前をあげた選手以外にも5月に登録した足も打力もある妹尾克哉、地元出身の梶原直景、三好一生など本当に楽しみな選手ばかりです。
 後期に向けて香川オリーブガイナーズへ変わらぬ声援お願いいたします。

 

<このコーナーは毎月1日更新です>

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