ロンドン五輪ボクシング男子ミドル級金メダリストの村田諒太が12日、都内で会見を開き、プロ転向を表明した。村田は2月にプロ転向の意思を明かし、職員として勤めていた母校の東洋大学を3月31日付で退職していた。今後は三迫ジムに所属し、16日にプロテストを受験する。デビュー戦の時期は未定で、階級はミドル級、もしくはその前後のウエイトになる見込みだ。
 日本人では48年ぶりに誕生したボクシングの金メダリストが新たな頂に挑戦する。
 村田は五輪後、国体予選に出場してRSC勝ち。その後はアマチュア選手としての現役続行か、プロ転向か、または引退か、本人からも明確な意思表示がなく、動向が注目されていた。

 その間、国際アマチュアボクシング連盟(AIBA)が立ち上げるプロ団体(APB)への参加に関しても態度が二転三転。本人からの説明がないまま、プロ転向の動きが報じられたため、日本アマチュアボクシング連盟は「AIBAに対する約束違反」として、2月に異例の「引退勧告」を行っていた。

 アマチュアでは世界のトップに立った村田だが、プロの重量級は猛者揃いだ。日本のプロボクシング界において、重量級で世界王者に就いたのはミドル級の竹原慎二のみ。ラウンド数やルール、ジャッジの採点基準もプロとアマでは異なる。27歳からの挑戦だけに、いかに早くプロのボクシングに適応できるかが成否を分ける。

 練習環境やマッチメイクにおいては2名の日本人現役世界王者を抱える帝拳ジムがサポートするなど、プロ側もバックアップ態勢を整えた。16日のプロテストはテレビ中継が決まっており、話題性は十分だ。険しくとも、楽しみなプロの頂を目指す道のりがこれからスタートする。