こどもの日の5日、巨人・長嶋茂雄終身名誉監督と昨年末に現役引退した松井秀喜氏の国民栄誉賞の授与式が巨人―広島戦に先立ち、東京ドームで行われた。安倍晋三首相から賞状と記念品を渡された2人には大観衆から拍手が降り注いだ。また、同賞受賞者の王貞治氏、衣笠祥雄氏が駆けつけ、花束を贈呈。その後、長嶋氏と松井氏はスピーチを行い、ともに感謝の言葉を述べた。
 長嶋氏と松井氏のコメントは以下の通り。

長嶋茂雄氏
「国民栄誉賞をいただきまして、本当にありがとうございます。松井くんもいっしょにこの賞をいただいたこと、厚く御礼申し上げます。ファンの皆さま、本当にありがとうございました」

松井秀喜氏
「この賞をいただき、大変光栄ではありますが、同じくらいの気持ちで恐縮しています。私は王さんのようにホームランで、衣笠さんのように連続試合出場で何か世界記録をつくれたわけではありません。長嶋監督の現役時代のように日本中のファンの方々を熱狂させるほどのプレーをできたわけではありません。僕が誇れることは日米のすばらしいチームでプレーし、すばらしい指導者の方々、チームメート、そしてすばらしいファンに恵まれたことです。今後、偉大なお三方の背中を追いかけ、日本の野球の、野球を愛する国民の皆さまの力に少しでもなれるように努力していきます。このたびは身に余る光栄ではありますが、私を支えてくださったファンの皆さま、そして野球で関わったすべての方々に感謝申し上げます」

 授与式の後には、試合の始球式が行われ、長嶋氏がバッター、松井氏がピッチャーとして登場。キャッチャーを巨人・原辰徳監督、球審は安倍首相が務めた。現役時代の背番号3、背番号55のユニホームをまとった2人にスタンドからは大歓声が起こった。そして、2人がグラウンドを去った後も、拍手はしばらく鳴り止むことはなかった。