男子ゴルフのメジャー大会である全米オープン選手権が17日、ペンシルベニア州のメリオン・ゴルフクラブで最終日を迎え、初出場の松山英樹がスコアを3つ伸ばして通算7オーバーとし、10位タイに入った。同オープンで日本人がトップ10入りしたのは2004年の丸山茂樹(4位)以来、5人目。初参戦でトップ10入りしたのは初の快挙となった。優勝は1オーバーのジャスティン・ローズ(英国)でメジャー初制覇を果たした。
 この4月にプロ転向し、国内5戦で早くも2勝を挙げている21歳が大舞台でも結果を残した。
 今大会の松山は初日が雷雨での中断もあって日没サスペンデッドとなり、2日目には初日の残り11ホールを含む、29ホールをプレー。難コースでの長丁場のためか終盤に崩れ、初日分終了時点での1オーバーから6オーバーに後退したものの、37位タイで予選を通過した。

 3日目を終えて39位タイに順位を落とした松山だが、最終日は圧巻のラウンドをみせる。前半で3つのバーディを奪ってスコアを1つ伸ばすと、後半の10番から12番まで3連続バーディ。他の選手も苦しんだ終盤もボギー1つにまとめ、6バーディ、3ボギーの67で回り切った。これは今大会のベストスコアタイ。アンダーパーで4日間を終えた選手がひとりも出なかった厳しいコースに最終的には見事、適応してみせた。

 今回、参戦した日本人では藤田寛之らも予選で涙を飲んでおり、唯一の決勝ラウンド進出。松山はアマチュア時代に2度出場したマスターズに続き、4大メジャーでは初出場から3大会連続の予選通過だった。これは青木功、尾崎将司、中嶋常幸、丸山といった日本の名だたるトッププロはもちろん、タイガー・ウッズ(米国)でさえ成しえなかった記録だ。

 それどころか10位に食い込み、来年の出場権(10位以上)も確保した。7月には、これまた初となる全英オープン参戦も決まっている。過去、日本人ゴルファーがなかなか太刀打ちできなかったメジャーの舞台で、若き大物スターがさらなる輝きを放ちそうだ。