陸上の世界選手権がモスクワで8月10日に開幕する。女子マラソンの注目は、ロンドン五輪代表の木良子だ。かつて日本の女子マラソンは、オリンピックで4大会連続メダルを獲得し、“お家芸”と呼ばれていた。しかし近年は世界選手権を含め、世界大会3連続で入賞者なしの不振が続いている。日本陸上競技連盟は、世界選手権に派遣する代表選手を最大枠の5から2減の3人にとどめた。中でも3月の名古屋ウィメンズマラソンで優勝し、唯一、派遣設定記録をクリアした木にかかる期待は大きい。復活を期す女子マラソンの新エースを二宮清純がインタビューした。
二宮: オリンピックが終わると、出場するレースの間隔を空ける選手が多い中、ロンドンオリンピックの翌年の世界選手権出場が決まりました。ロンドンでは日本人最高の順位だったのですが、納得のいくレースではなかったと?
木: まだまだ力不足だなと、肌で感じました。見ているだけじゃ経験できないことが、走ってみて、自分が甘かったというのをすごく実感したレースでしたね。

二宮: 具体的にどの部分に世界との差を感じましたか?
木: 向こうはメダルを獲りにいっている気持ちが伝わってきました。私は“どこまでいけるだろう”という、チャレンジャーの気持ちでやっていました。自分はまだ(自己ベストが)2時間26分台だったので、レースの展開に余裕が持てなかった。アフリカ勢は、まわりを見ながら、自分が仕掛ける場所とかを考えていたんです。自分はそれに必死に食らいついていくことしかできませんでした。

二宮: アフリカ勢はメダルを視野に入れてのレースをしていたと。世界との差をロンドンで知ったということですが、モスクワでリベンジしたいところですね。
木: それはすごくありますね。オリンピックでは、レースの途中までしか戦えていなかったし、最後までちゃんと勝負したいです。

二宮: メダル圏内での勝負を楽しみたいと?
木: そうですね。駆け引きをして、楽しみたいという思いはありますね。

二宮: モスクワでは、どういうレースプランを描いていますか?
木: 自分は先頭で引っ張っていくレースはできないので、こないだの名古屋のように、最後まで(先頭集団に)ついていきたいです。そして自分の自信の持てるところでスパートして、勝負したいと思っています。

<20日発売の小学館『ビッグコミックオリジナル』(2013年7月5日号)に木選手のインタビュー記事が掲載されています。こちらもぜひご覧ください>