19日、FIFAコンフェデレーションズカップ2013グループA第2節が各地で行われ、日本代表がイタリア代表に3−4で敗れた。日本は前半、MF 本田圭佑、MF香川真司のゴールで2点をリードした。しかし、前半のうちに1点を返されると、後半5分にオウンゴール、7分にFWマリオ・バロテッリのPK弾で逆転を許す。24分にMF岡崎慎司のゴールで追いついたものの、41分、MFセバスチャン・ジョビンコに決勝点を決められた。連敗の日本はグループリーグ敗退が決定した。

 イタリア、連勝で準決勝進出(レシフェ)
日本 3−4 イタリア
【得点】
[日] 本田圭佑(21分)、香川真司(33分)、岡崎慎司(69分)
[イ] ダニエレ・デ・ロッシ(41分)、オウンゴール(50分)、マリオ・バロテッリ(52分)、セバスチャン・ジョビンコ(86分)
「いくら内容で上回っても、勝ち切らないと何も残らない」
 香川は悔しさを隠さなかった。日本は序盤から積極的なプレスと高いボールポゼッションで主導権を握った。完敗を喫したブラジル戦から見違える内容。しかし、最後はEURO準優勝国のイタリアに力負けした。

 日本は試合開始直後に岡崎が素早いプレスからボールを奪うなど、攻撃的な姿勢を前面に押し出した。前半5分には、FW前田遼一が香川の左サイドからのクロスにヘディングで合わせた。これはGK正面を突いたものの、ひとつのかたちをつくった。

 すると前半20分、岡崎がDFデ・シリオのGKへのバックパスに詰め、GKジャンルイジ・ブッフォンと交錯。これがブッフォンのファールと判定されて得たPKを、本田が落ち着いてゴール右へ蹴り込んだ。

 思いがけないかたちで先制した日本は、26分にMF長谷部誠、同8分にはDF長友佑都が速攻からのドリブルでシュートに持ちこむなど、優勢に試合を進める。
 そんな33分、香川が追加点を奪った。右ショートコーナーからのクロスのこぼれ球を今野が再びゴール前へ。これを香川がDF2人と競り合いながらうまくキープし、振り向きざまに左足ボレーでゴール右に突き刺した。これには名手ブッフォンも反応できず、日本がリードを2点に広げた。

 いい流れの攻撃同様に、ディフェンスもDF今野泰幸、DF吉田麻也を中心に、粘り強い守りでエースFWマリオ・バロテッリを自由にさせない。司令塔のMFアンドレア・ピルロには中盤の選手が素早くアプローチし、簡単にパスを前に出させなかった。

 ただ、徐々にW杯4度の優勝を誇るイタリアの攻勢が強まると、セットプレーを与える場面が増えた。
 40分、ピルロの直接FKはゴール上に外れたが、直後のコーナーキックから1点を返される。MFダニエレ・デ・ロッシにピルロの右CKをドンピシャリのヘディングで叩き込まれた。前半終了間際には、MFエマヌエレ・ジャッケリーニのシュートが右ポストを直撃。かろうじて1点リードを保ったものの、悪い流れのまま後半に突入した。

 迎えた後半5分、嫌なかたちから同点に追いつかれた。吉田がPA内左サイドに送られたボールを、競り合ったジャッケリーニの前に体を入れてラインを割らせようとするも、なかなかラインを割らないボールの処理に手間取ったところを奪われてクロスを入れられる。これを、内田が戻りながらのスライディングで足に当てたものの、ボールは無情にもゴールへ吸い込まれた。

 さらに負の連鎖が続く。直後の6分、長谷部がジョビンコのミドルシュートをブロックした際、足に当たったボールが腕に触れた。ディエゴ・アバル主審はハンドの判定。長谷部は累積2枚目の警告を受け、メキシコ戦は出場停止となった。このPKをバロテッリにゴール左へ沈められ、日本はあっという間に逆転を許した。

 24分、岡崎が遠藤の右サイドからのFKにニアサイドで頭で合わせて同点に追いついたものの、勝ち越し点は遠かった。26分、本田がドリブルで中央突破し、右足で打ったシュートはGKの好守に遭った。39分には、岡崎が左サイドからグラウンダーのクロスのこぼれ球を左足で狙うも右ポストを直撃。香川が跳ね返ったボールを頭で押し込んだが、クロスバーに当たってゴールラインを割った。

 するとチャンスの後にはピンチが待っていた。41分、MFクラウディオ・マルキージオにPA内右サイドへ抜け出され、中央への折り返しをジョビンコに左足で押し込まれた。守りの人数は揃っていただけに、ゴール前でジョビンコを捕まえきれなかったのが悔やまれた。

「ほんの少しの差で敗れた。選手たちは正しいプレーをし、勇気と決意を持って頑張った。ユーロの準優勝チームと互角に渡り合ったし、立派だったと思う」
 アルベルト・ザッケローニ監督は、自身の母国と激闘を演じた選手たちを称えた。しかし、勝てる試合を落とした、というのが正直なところだろう。イタリア相手にチャンスを多く作れたことは評価できる。だが、やはり決定力不足が響いた。岡崎は「同点に追いついてからもチャンスがあったし、4−3にしていれば結果は違ったと思う」と唇を噛んだ。

 グループリーグ敗退は決定したものの、まだ大会は続く。23日のメキシコ戦は、敗戦のショックを引きずらず、イタリア戦同様に積極的なサッカーを展開できるかがポイントだ。1年後に勝つために、1試合も無駄にすることはできない。

【ホスト国・ブラジルも連勝でベスト4進出】

 ブラジルは前半9分、MFネイマールがPA内左で右からのクロスのこぼれ球を左足ボレー。日本戦に続き、若き背番号10のスーパーゴールで先制に成功した。その後は、一進一退の攻防が続き、試合は膠着状態に。しかし、1−0のまま試合終了かと思われた後半終了間際、FWジョーが追加点を挙げた。PA内左サイドを仕掛けたネイマールからの折り返しを左足でゴールに流し込んだ。2連勝を飾ったブラジルはイタリアとともに準決勝へ進出。連敗したメキシコはグループリーグ敗退が決定した。

 ネイマール、2戦連続MOM(フォルタレーザ)
ブラジル 2−0 メキシコ
【得点】
[ブ] ネイマール(9分)、ジョー(90分+3)