20日、キリンチャレンジカップ2013が佐賀・ベストアメニティスタジアムで行われ、なでしこジャパン(日本女子代表、世界ランク3位)がニュージーランド女子代表と1−1で引き分けた。日本は前半21分、FW大儀見優季(ポツダム)のゴールで先制した。しかし、前半でMF宮間あや(岡山湯郷)が退場。数的不利となってなかなか追加点を挙げられずにいた後半38分、MFロンゴに同点弾を許した。なでしこはこの後、欧州遠征に出発し、イングランド女子代表(26日)、ドイツ女子代表(29日)と対戦する。

 有吉、地元開催でアシスト(ベアスタ)
日本女子代表 1−1 ニュージーランド女子代表
【得点】
[日] 大儀見優季(21分)
[ニ] ロンゴ(83分)
 なでしこらしくない試合運びだった。先制はしたものの、全体的に運動量が少なく、フィニッシュにつなげるパスの精度も低かった。数的不利になってからは防戦一方。効果的な速攻を仕掛けることもできず、格下ともいえる相手に勝ちきれなかった。

 序盤はニュージーランドの細かいパスワーク、積極的な前線からのプレスに押し込まれる時間帯が続いた。それでも集中した守備で苦しい立ち上がりをしのぐと、徐々にリズムを掴む。前半12分には、大儀見が中盤でパスカットした流れからミドルシュートを放った。これは枠を外れたものの、なでしこらしいプレスから攻撃にかたちをつくった。

 すると21分、その大儀見が先制点を挙げた。DF有吉佐織(日テレ)が右サイドから上げたアーリークロスに、ファーサイドに走り込みながら右足ダイレクトで合わせた。3月のアルガルベカップから3戦連続ゴール。なでしこのエースとしてしっかりと結果を残した。

 その後は再びニュージーランドの攻勢を集中した守備で防いでいたものの、アクシデントがなでしこを襲う。前半終了間際、宮間がこの試合2枚目のイエローカードを貰って退場に。なでしこは残る後半45分間を1人少ない状況での戦いを強いられることになった。

 迎えた後半、開始早々にピンチを招く。6分、FWウィルキンソンにPA内左サイドから打たれたシュートがクロスバーを直撃。跳ね返ったボールをFWグレゴリウスに押し込まれたが、これは後半から出場したGK海堀あゆみ(INAC神戸)が何とかかき出した。

 なでしこは1人少ないことで、相手にプレスをかけ切れず、ニュージーランドにピッチを広く使われた。またボールを奪っても、攻撃にかける人数が少なくなかなかシュートまで持ち込めなかった。

 そんなじり貧の展開で迎えた38分、ついにゴールをこじ開けられた。DFパーシバルに右サイド深くから上げられたクロスを、PA内中央でロンゴに右足を振り抜かれた。シュートは海堀の手を弾きゴールネットを揺らした。

「まだまだなでしこのコンディションが上がっていない」
 佐々木則夫監督は渋い表情で試合を振り返った。持ち前の連動したサッカーが見られず、パスミスやドリブルで簡単にボールを奪われるシーンも多かった。大儀見も「勝てた試合だった。10人になって自分たちのミスで簡単にボールを失ってしまった。もっと大事にしないと、ああいう失点をしてしまう」と悔しがった。