2日、日本サッカー協会(JFA)はJFAハウスで競技規則改正(第11条:オフサイド競技規則の解釈の変更)についてのメディア向け説明会を行った。改正は6月に国際サッカー連盟(FIFA)から通達された。最も大きな点として、オフサイドの位置にいる選手は、守備側の選手の意図的なクリアやパスに関わっても反則にならないことが明確化された。改正された競技規則は、国際的には1日から施行されているが、日本では6日に再開するJ1の試合から適用される。
 今回の改正は今年3月に競技規則を定める国際サッカー評議会(IFAB)がオフサイドの定義を示した第11条の「相手競技者に干渉する」「その位置にいることによって利益を得る」との条文についての解釈を、より具体的にしたもの。修正点は以下の通り(※太字部分が修正または新たに加わった文言)。

【“相手競技者に干渉する”の解釈】

・改正前「明らかに相手競技者の視線を遮る、相手競技者の動きを妨げる、しぐさや動きで相手競技者を惑わす、または混乱させると主審が判断し、それによって相手競技者がボールをプレーするまたはプレーする可能性を妨げることを意味する」
・改正後「明らかに相手競技者の視線を遮る、またはボールへ向かう相手競技者にチャレンジすることによって、相手競技者がボールをプレーするまたはプレーする可能性を妨げることを意味する」

【“その位置にいることによって利益を得る”の解釈】

・改正前「既にオフサイドポジションにいて、ゴールポストやクロスバーからはね返ってきたボールをプレーすること、または既にオフサイドポジションにいて、相手競技者からはね返ってきたボールをプレーすることを意味する」
・改正後「“その位置にいることによって利益を得る”とは、次のようにボールをプレーすることを意味する。(i)ゴールポストやクロスバー、または相手競技者からはね返った、またはそれらに当たって方向が変わってきたボールを、既にオフサイドポジションにいる競技者がプレーすること。(ii)相手競技者が意図的にセーブして、はね返った、方向が変わってきた、またはプレーしたボールを、既にオフサイドポジションにいる競技者がプレーすること

 ただし、「その位置にいることによって利益を得る」の解釈においては、「相手競技者が意図的にプレーした(意図的なセーブは除く)ボールを、既にオフサイドポジションにいる競技者が受けたとしても、その位置にいることによって利益を得たとは判断しない」ことが新たに明文化された。たとえば、守備側競技者が浮き球のロングパスをヘディングでクリアしたボールが後方に逸れて、オフサイドポジションにいる攻撃側選手に渡った場合は反則にはならない。

 現行の表現ではあまりに解釈の幅がありすぎ、十分に的確とは言えず、多くの議論を引き起こしていることが改正に至った理由だ。新たな表現は、実際の試合状況により則したものになり、ボールがはね返った、方向が変わった場合、あるいは意図的にセーブされた状況に関しての混乱を排除することを目的としている。