(写真:「選手たちが思い切ってプレーできる環境をつくる」と語った森保監督)

 30日、日本サッカー協会は記者会見を開き、12月9日からタイで行われるM-150 CUP 2017に臨むU-20日本代表のメンバー23人を発表した。注目の若手MF神谷優太(湘南ベルマーレ)、トレーニングパートナーとしてリオデジャネイロオリンピックに帯同したMF渡辺皓太(東京ヴェルディ)らが選出された。また大学サッカーからは5人、Jリーグクラブの下部組織からは2人が選ばれた。

 

 M-150 CUP 2017はタイサッカー協会が主催する大会だ。6カ国が3カ国の2グループに分かれる。各グループの1位が決勝を、各グループ2位同士が3位決定戦を行う。日本はタイ、北朝鮮と同組のグループAに入った。グループBはベトナム、ミャンマー、ウズベキスタン。日本の初戦はホスト国・タイ(12月9日)である。

 

 選手の出場条件資格は23歳以下の選手たちだ。だが、日本は今大会を2020年東京オリンピックの強化にあてる方針。オリンピック男子サッカーは原則として23歳以下の選手たちでチームを構成するため、“東京オリンピック世代”と言われる20歳以下の選手たちで今大会を戦う。

 

 これが初陣となる森保一監督は今年5月に韓国で行われたU-20ワールドカップのメンバーを1人も呼ばなかった。その理由については「この年代の可能性のある選手たちをより広く見ていくため」と説明した。ゼロからチームを作るのは困難も承知。東京オリンピックで結果を残すだけでなく、「この世代全体を成長させたい」と就任時に語っていた森保監督ならではの選択だ。

 

 新指揮官が23人の選手たちに求めるものは何か。森保監督は語る。

「新しい監督のもとに、選手を集めて短い期間でチーム戦術を浸透させるのは簡単ではありません。まず、選手たちに見せてもらいたいのは、個性や自分の良さです。“このチームに残りたい”“このチームでやり続けたい”という意思を見たいです」

 

 今回、DF登録の選手はわずかに5人。森保監督は「これまで(自らの監督経験上)3バックが多かったので基本的に3バックを考えています」と前置きし、こう続けた。

 

「ただし、3バックでやれるかどうかはピッチで判断します。4-2-3-1、4-1-4-1といろいろな形がある。選手が力を発揮できるように、柔軟に対応していきます」

 

 今回の遠征は12月6日に始まり最長で17日に解散する。短い期間でも「少しでも多く選手とコミュニケーションを取れれば」と森保監督。サンフレッチェ広島を率いた5年半で3度のリーグ制覇に導いた“名将”のコミュニケーション術で、優勝を目指す。

 

【U-20日本代表メンバー】

GK

オビ・パウエルオビンナ(流通経済大)

大迫敬介(サンフレッチェ広島ユース)

谷晃生(ガンバ大阪ユース)

DF

庄司朋乃也(ツエーゲン金沢)

岡野洵(ジェフユナイテッド千葉)

大南拓磨(ジュビロ磐田)

立田悠悟(清水エスパルス)

麻田将吾(京都サンガF.C.)

MF

浦田樹(ギラヴァンツ北九州)

岩田智輝(大分トリニータ)

長沼洋一(モンテディオ山形)

平戸大貴(FC町田ゼルビア)

神谷優太(湘南ベルマーレ)

三苫薫(筑波大)

井上潮音(東京ヴェルディ)

宮崎幾笑(ツエーゲン金沢)

松本泰志(サンフレッチェ広島)

菅大輝(北海道コンサドーレ札幌)

針谷岳晃(ジュビロ磐田)

渡辺皓太(東京ヴェルディ)

FW

旗手怜央(順天堂大)

上田綺世(法政大)

小松蓮(産業能率大)

 

(文/写真・大木雄貴)