第221回 滋賀・山本祐大(横浜DeNAドラフト9位)「体力強化だけで1年目を終えたくない」
滋賀ユナイテッドBCの山本祐大です。この秋、ドラフトで横浜DeNAから9位指名されNPBへ進むことになりました。ドラフト当日はなかなか名前が呼ばれずに不安になりましたが、名前を呼ばれた瞬間はホッとしました。全体で82番目、支配下では最後の指名選手ですが、プロ(NPB)のスタートラインに立てたということで新人全員と横一線。早く1軍で活躍する選手になりたいです。
厳しい環境で野球をしたかった
指名挨拶の席上では球団の方から「DeNAとしては山本君の強肩に期待している。体をもっと大きくして、キャッチャーとしていろいろなことを学び、いい選手になることを期待しています」と言われました。僕自身も肩には自信があったので、そこを評価されたことはとてもうれしいです。
滋賀に入団したとき上園啓史監督にこう言われました。「NPBを目指しているなら、あそこにはすごい選手たちがいっぱいいる。埋もれないように何かひとつ光るものを磨いてアピールしろ」と。僕はそれが強肩だったので、その部分では誰にも負けないように過ごしてきたつもりです。
高校(京都翔英)では同級生のキャッチャーにすごいヤツ、石原彪(東北楽天)がいたので外野手でしたが、プロではやっぱりキャッチャーというポジションにこだわりたいです。石原とは高校時代から仲が良く、指名の後に連絡があって「おめでとう」と言われました。彼のいる楽天とはイースタンで同じリーグなので対戦するのが楽しみです。どうやって抑えるか、また石原のリードをどう打つか、そういうことを考えるとプロに行くんだという実感がよりわいてきます。
プロ1年目の目標は身長180センチ、体重78キロという体をもっと大きくしたいです。トレーニングを積み、体をしっかりしてプロで通用するようになりたいですね。とはいっても「体力強化」だけで1年を終わらせるつもりはなく、1日でも早く試合に使ってもらい、1軍に上がりたいですね。
高校からBCリーグの滋賀に進んだのは、より厳しい環境で野球がしたかったからです。進路を考えていたときに大学の練習も見に行ったのですが、どこか「ゆるさ」を感じてしまって、自分が行くのはここじゃないな、と。
野球をだらだらと続けるのではなく、何年か集中してやって、それでプロ(NPB)に行けなければ別の人生を考える。中学、高校とずっとそう考えていました。だから大学で4年間過ごすよりも、より濃密な野球生活を送れるBCリーグを選びました。
滋賀に入った当初は「やっていけるかな」と不安を感じたこともありましたが、1年で成長させていただき、今はこの進路が間違っていなかったと思っています。滋賀では多くのファンの方、スポンサーの皆さんの応援がたいへん心強く感じました。DeNAに入っても感謝の気持ちを忘れずに、今度は横浜の優勝させる重要なピースになりたいです。これからも応援よろしくお願いします。
<山本祐大(やまもと・ゆうだい)プロフィール>
1998年9月11日、大阪府出身。小学校時代から野球を始めて、中学時代は大正シニアに所属。ポジションは捕手。京都翔英高に進学後、捕手には同級生・石原彪おり、外野手として活躍した。高3夏に5番センターで甲子園出場。京都大会では打率3割4分8厘、甲子園では1回戦(樟南高)で敗れたものの1安打を放っている。高校卒業後の17年5月、滋賀ユナイテッドに入団。ルーキーながら正捕手として起用され56試合に出場。打率2割9分4厘。同年10月、横浜DeNAから9位指名を受けた。BCリーグから野手が支配下指名を受けたのは山本が初のこと。身長180センチ、体重78キロ。右投右打。横浜DeNAでの背番号は50。