世界柔道選手権が27日、ブラジルのリオデジャネイロで2日目を迎え、男子66キロ級ではロンドン五輪銅メダリストの海老沼匡(パーク24)が決勝までの6試合すべてで一本勝ちし、連覇を達成した。同階級に出場した福岡政章(ALSOK)は準々決勝で敗れたものの、敗者復活戦と3位決定戦を勝ち抜き、銅メダルを獲得した。また女子52キロ級では橋本優貴(コマツ)が準決勝で敗れたが、3位決定戦には勝って3位に入った。
 左手を負傷しながらの一本勝ちだ。アザマト・ムカノフ(カザフスタン)との決勝。投げ技をかわそうとした際に左腕を相手の脇で抱え込まれた。脇で腕を挟んで固めるのは危険な行為で反則となるが、そのまま倒れ込み、試合は続いた。海老沼は必死に振りほどこうとするも、左を完全に極められて使えなくなった。

 それでも痛みをこらえて立ち上がると、残る右手で相手の襟をつかみ、大内刈りを鮮やかに決める。起死回生の一本勝ちに、思わずガッツポーズが飛び出した。昨年の五輪では準々決勝で審判団の判定が二転三転したのが響き、準決勝では一本負けを喫した。それから1年、今度は不利な状況を挽回して頂点に立った。

 この優勝で日本男子は60キロ級に続き、2日連続での金メダル。お家芸復活へ幸先のよいスタートを切った。