19日、リフティング技術を競うフリースタイル・フットボールの「Red Bull Street Style(RBSS)ワールド・ファイナル」決勝が東京・増上寺で行われ、Syzmon(ポーランド、通称SZMYO)が初優勝を果たした。連覇を狙った徳田耕太郎(通称TOKURA)は4位。もうひとりの日本人選手・長江直幸(通称NAO)は決勝T1回戦で敗退した。女子部門はKitti(ハンガリー)が大会連覇を達成した。
(写真:優勝したSZMYO<左>とスペシャルジャッジを務めたマルコ・マテラッツィ氏)
 敗退が決定した瞬間、TOKURAはがっくりと肩を落とした。準決勝までは順調だった。大技と小技のバランスがとれたルーティーンで会場を沸かせた。

 決勝T1回戦から「TOKURAクラッチ」を披露するなど、予選同様、出し惜しみする様子は一切なかった。その結果、1回戦はジャッジスコア5−0で勝利した。つづく準々決勝ではも、音楽、スピード感のマッチングを意識したパフォーマンスで4−1。史上初の連覇、?2まであと2つとなった。

 準決勝でもTOKURAはほぼノーミスに近いかたちでまとめた。これに対し、対戦相手のSZMYOは力強いエアムーブや頭を駆使したトリックを披露。結果、大技を多く繰り出したSZMYOを支持するジャッジが多く、TOKURAは1−4のスコアで敗れた。その後の3位決定戦も落とし、TOKURAにとって3度目のRBSSは4位で終戦となった。

「(ジャッジが)とにかくすごい技を取り入れた選手を評価する傾向だった」
 TOKURAは大会をそう分析した。その中で、自身は各トリックへのスムーズさ、正確性、音楽との融合性などを重視したが、なかなかジャッジの支持にはつながらなかった。
(写真:敗れはしたが、クオリティの高さを示した)

 それでも、「会場を盛り上げていたのは自分」との自負がある。昨年のRBSS(イタリア)も、観客に楽しんでもらうパフォーマンスを心掛けた上での優勝だった。
「(今後は)パフォーマンスの部分を重点的に意識しながら練習して、会場のお客さんやジャッジを楽しませながら、(自分自身も)フリースタイルを楽しんでいきたい」

 まだ21歳。フリースタイラー・TOKURAは、再び世界一を奪還するための道を歩み始める。