25日、AFCアジアチャンピオンズリーグ(ACL)準決勝第1戦が日立柏サッカー場で行われ、柏レイソルが広州恒大(中国)に1−4で敗れた。柏は前半10分、MFジョルジ・ワグネルのゴールで先制し、1−0で試合を折り返した。しかし、後半に入ると13分にFWムリキ、22分にMFダリオ・コンカに決められて逆転を許し、その後も2点を失った。勝利を逃すとともに、アウェーゴールを4つ献上。決勝進出には次戦で3点差以上、最低でも4点を奪っての勝利が必要な厳しい状況となった。第2戦は10月2日に広州恒大のホームで行われる。

 コンカ、圧巻の左足ミドル弾(柏)
柏レイソル 1−4 広州恒大(中国)
【得点】
[柏] ジョルジ・ワグネル(10分)
[広] ムリキ(58分、90分+1)、ダリオ・コンカ(67分)、エウケソン(82分)
 あまりにも痛い敗戦だ。柏は早い時間帯で先制した。しかし、後半だけで4失点を喫するなど守備が崩壊。圧倒的不利な状況で敵地へ乗り込むこととなった。

 直前まで振っていた雨の影響により、ピッチがスリッピーな状態で試合が始まった。その中で両チームともにシュートまで持ち込むなど、積極的な立ち上がりを見せた。すると前半10分、いきなり試合が動く。ジョルジ・ワグネルが右サイドから入れたFKのクロスが、ゴール前でバウンドしてゴールに吸い込まれたのだ。濡れたピッチが、ホームの柏に味方するラッキーな先制劇だった。

 先制した柏はムリキ、コンカ、エウケソンの外国人トリオを中心に攻め込んでくる広州恒大に対し、空いたスペースを速攻で突くかたちで応戦した。35分、FW田中順也がジョルジ・ワグネルのクロスをゴール前で受けてシュート。しかし、これはGKに足でかろうじて防がれた。柏はその後もチャンスを迎えたものの、追加点は奪えず、1−0のまま試合を折り返した。

 後半も優位に試合を進めたい柏だが、徐々に広州恒大に押し込まれていった。迎えた後半13分、ACL得点ランクトップのムリキに同点弾を奪われた。左サイドからのクロスを、DF近藤直也が戻りながらの難しい体制でクリアを試みた。しかし、これがPA内中央にこぼれ、ムリキに豪快なシュートを叩き込まれた。
 22分には、コンカに味方のシュートのこぼれ球を拾われ、PA手前から左足を振り抜かれた。シュートはゴール左に突き刺さり、柏はあっさりと逆転を許した。

 柏はホームで勝ち点を落とすわけにはいかない。33分、ネルシーニョ監督はFWクレオに代えて攻撃的MFの澤昌克を投入。前線を活性化させて同点、そして勝ち越しを狙った。しかし37分、逆に広州恒大に3点目を奪われてしまう。右CKからエウケソンにニアサイドで合わされた。痛すぎる失点に、柏イレブンは視線を落とした。
 だが、守備の崩壊は止まらず、アディショナルタイム、カウンターからムリキにゴールを決められて万事休す。決勝進出に向けて厳しいビハインドを負った。

 平日にも関わらず、スタジアムには大勢の柏サポーターが集結した。その中に掲げられていた「柏から世界へ」という横断幕。12月のクラブW杯(モロッコ)へ出場するためには、ACL制覇しか道はない。「やるべきことはひとつ」とジョルジ・ワグネルは語った。奇跡を信じるサポーターのために、諦めるわけにはいかない。