野球の日本代表「侍ジャパン」の新監督に福岡ソフトバンク、巨人で内野手として活躍した小久保裕紀氏の就任が内定した。プロで18年間プレーし、通算2041安打、413本塁打を記録した小久保氏は41歳。昨季限りで現役を引退し、現在は野球解説者として活動している。監督、コーチの経験はないが、アマチュア時代には日本代表としてバルセロナ五輪の銅メダル獲得に貢献。2005年から09年まで社団法人日本プロ野球選手会の理事長を務めるなど、球団の枠を超えたリーダー的存在だった。小久保新監督が正式に決定すれば、11月に開催される台湾代表との親善試合が初陣になる予定だ。
 4年後のWBCも視野に入れた人選だ。
 NPBでは代表の強化と、代表戦に伴う収入増を目的に昨年より「侍ジャパン」を常設化した。また過去、WBCに向けた監督人事は難航しており、今春の第3回大会でも二転三転の末、ようやく昨年10月に元広島監督の山本浩二氏に決まった経緯がある。

 それらを踏まえ、NPBでは長期的に代表チームを率いることのできる人材として、若くて、アマチュアで代表経験もある小久保氏に白羽の矢を立てた模様だ。今後、侍ジャパンは11月に台湾に遠征しての親善試合を計画しており、15年には国際野球連盟が新設した国際大会「プレミア12」の日本開催も予定されている。指導歴のない小久保氏だが、国際試合の指揮を継続して託すことで、2017年の第4回WBCでの世界一奪還を目指す。