(写真:「監督就任のオファーを受けた時は戸惑った」と西野新監督<右>)
日本サッカー協会(JFA)は12日、都内で西野朗氏の日本代表監督就任会見を行った。西野新監督はロシアW杯まで指揮を執る。また、手倉森誠コーチは留任。U-21日本代表監督の森保一氏らが新たにコーチを務めることも発表した。
ハリルホジッチ前監督は1対1の対人プレー(デュエル)で勝つことと、タテに速く攻めることを選手たちに要求してきた。西野新監督は前任者と180度違うサッカーを展開しそうだ。ロシアW杯での戦いぶりについて、こう抱負を口にした。
「タテへの速い攻撃は必要だが仕掛けるタイミングが大事。1対1の場面でのパワーも大事だが、日本人はなかなか体格的に戦えないところがある。日本には日本化されたフットボールがある。技術を最大限にいかし、組織で結束して戦える強みをベースにチームを構築していく。日本人のDNAでもやれることはもっとある」
西野新監督は会見の席で何度も「選手がいいパフォーマンスを出せるようにしたい」「選手には素直に自分の力を発揮してほしい」と口にした。この発言からハリルホジッチ体制下では、選手たちが自分の持っている力を存分に発揮できていなかったことが窺える。その反省をもとに西野新監督は選手たちがプレーしやすい環境づくりに着手する。
新監督はアトランタ五輪日本代表監督を務め、ブラジルに1対0で勝利した時のような守備的な戦い方もできる。だが、本来はガンバ大阪を率いた時のような攻撃的なサッカーを好む。元日本代表DF秋田豊からの「攻撃的に戦うのか、守備的に戦うのか」という質問には、こう答えた。
「ゲームにはいろいろな状況がある。オフェンシブに戦える時間帯もあれば、ディフェンシブに戦う時間帯もある。その中で勝機を探す。(自分たちと相手の)ウィークポイント、ストロングポイントを考えないといけないが、できればオフェンシブに戦いたい」
2カ月後に迫るロシアW杯のメンバー選考についてはすでに100人近いラージリストがあることを明らかにした。このリストの中から徐々にメンバーを絞っていく。今週末はセレッソ大阪対FC東京戦(ヤンマースタジアム)の視察に行く予定だ。
「どんな相手でも間違いなく勝機はある。FIFAランキングがあてにならないのが、この世界」と力強く語った西野新監督。短期間で崩れかかったチームをどこまで戦う集団に変えられるのか。新監督の手腕が問われる。
(文・写真/大木雄貴)
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