27日、バドミントンの国・地域別対抗戦最終日がタイ・バンコクで開催されれた。男子のトマス杯決勝は日本が中国に1対3で敗れ、準優勝。4年ぶりの優勝はならなかった。中国は6年ぶり10度目の制覇。前日に行われた女子のユーバー杯決戦は日本が地元タイを3対0で下し、37年ぶり6度目の優勝を果たした。

 

 日本の躍進が目立った。前回大会ベスト8の男子は初優勝を果たした2014年以来の決勝進出、銀メダル獲得だ。第1シングルスの桃田賢斗は大会前に「自分が全勝すれば優勝するチャンスがある」と語っていたように、チームのトップバッターとして勢いをつけた。準決勝の前回王者デンマーク戦でビクター・アクセルセン、決勝の中国戦ではチェン・ロンをストレートで制した。帰ってきた日本のエースはリオデジャネイロオリンピック銀、金メダリストを続けざまに破ってみせた。

 

 準決勝は西本拳太、常山幹太のシングルス勢が続いたが、決勝では第1シードの中国を相手に桃田の後に3連敗。2度目の優勝には届かなかった。

 

 桃田は4年前のトマス杯で5戦全勝で初制覇に貢献したが、その時とはチームにおける立場も違う。重圧のかかる中で6戦全勝である。得意のネットプレーはフィジカル強化で更に威力を増した感がある。アクセルセン、チェン・ロンという世界トップクラスの選手を翻弄。かつてBWF世界ランキング2位まで駆け上がった桃田が進化して男子シングルスの頂上争いに加わった。

 

 4大会連続で表彰台に上がっている女子は第1シード。優勝候補として臨んだ。第1シングルスの山口茜、第2シングルスは奥原希望。第1ダブルスは福島由紀&廣田彩花ペア、髙橋礼華&松友美佐紀ペアを軸に据えた。奥原はリオオリンピック銅メダリストで昨年の世界選手権女王、“タカマツ”ペアはリオオリンピック金メダリストである。

 

 他国に負けない層の厚さを誇った。奥原と“タカマツ”ペアは起用された試合を全勝。予選リーグでは選手を休ませつつ、首位突破を果たした。全選手がコートに立ち、結果を残した。決勝で地元タイと戦ったが山口、福島&廣田ペア、奥原がいずれもストレート勝ち。1981年の東京大会以来の頂点に立った。

 

(文/杉浦泰介)