セ・リーグにとっては“苦行”の交流戦がスタートした。6月6日現在、セ・リーグで勝ち越しているのは唯一、東京ヤクルトだけである。6勝1敗の好成績で、交流戦前には9.5ゲームもあった首位カープとの差を6.5ゲームにまで縮めた。

 

 昨季、12勝6敗で勝ち越し、交流戦で2連覇にはずみをつけたカープは出だしからつまずいた。2カード連続で負け越し、3勝4敗で低空飛行を続けている。

 

 にもかかわらず、2位横浜DeNAと3位・巨人、4位・阪神とのゲーム差は交流戦前よりも広がっている。カープ以上に負け越しているからだ。

 

 6月6日現在、交流戦の成績はパ・リーグの26勝17敗、勝率.605。両リーグの実力差を考えれば今さら驚く話ではないが、もう少し、何とかならないものか……。あるセ・リーグの関係者は「これがサッカーだったらパ・リーグがJ1、セ・リーグがJ2ですかね」と自虐的に話していた。

 

 もっとも交流戦は6月17日まで続く。セ・リーグも、このままでは終われないだろう。逆転までもっていくのは無理でも、少しでも差を縮めたいところだ。

 

 交流戦を見ていて思うのは、パ・リーグのバッターの振りの鋭さである。誰もが腰の座ったバッティングを見せる。そのため打球の威力が違うのだ。ボクシングでたとえるならミドル級とライト級くらいの差があるように感じられる。

 

 パワーにはパワーで対抗するしかない。DH制の試合では、サビエル・バティスタ、ブラッド・エルドレッドら重量級をスタメンに入れ、真っ向から打ち合いを挑むのも、一つの手である。

 

(このコーナーは二宮清純が第1週木曜、書籍編集者・上田哲之さんが第2週木曜、フリーライター西本恵さんが第3週木曜を担当します)


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