残るイスはあとひとつ――。J1昇格プレーオフ決勝が8日、行われる。昇格プレーオフは昨季から導入され、J2の年間3位から6位までの4クラブがトーナメント方式でJ1昇格を争うもの。その決勝に駒を進めたのは京都サンガF.C.(3位)、徳島ヴォルティス(4位)。90分間を終えて引き分けの場合は延長戦を行わず、リーグ戦順位で上回るチームの勝利となる。果たして、会場の国立競技場でサポーターたちと喜びを分かち合えるのはどちらか――。
 京都は4季ぶりのJ1復帰を目指す。昨季は昇格プレーオフ準決勝で敗退。今季はその雪辱を晴らしたい。

 京都の特徴は攻撃的なパスサッカーだ。選手間の距離をコンパクトに保ち、縦横無尽のパスワークで相手守備網を切り崩していく。中心選手は横谷繁。3トップの中央を務め、今季は11ゴール10アシストをマークした。京都は彼にどれだけボールを集められるかがポイントだ。

 守備では絶対的守護神のオ・スンフンが好調を維持している。プレーオフ準決勝では、V・ファーレン長崎の決定機をことごとく防いだ。京都は引き分けでも昇格が決まるだけに、時間帯によっては無理に攻め急がず、守りに比重を置く戦い方も選択肢に入ってくるだろう。

 対する徳島はクラブそして四国勢初のJ1昇格を目論む。
 守りから入るサッカーが徳島のスタイルだ。ただ、堅守速攻のみならず、遅攻も交えて、相手ゴールに迫る。
 CBコンビの千代反田充と橋内優也を中心に攻撃を防ぎ、司令塔のボランチ・柴崎晃誠にボールをつないでチャンスを作りだしたいところだ。

 攻撃のキーマンは津田知宏。チーム最多の14ゴールを挙げたエースは、準決勝のジェフユナイテッド千葉戦で、PKを獲得して決勝進出に貢献した。決勝では千葉戦で負傷した相棒・ドウグラス(今季12ゴール)の出場が微妙なだけに、津田にかかる期待は大きい。徳島にとっては先制して守り切るという構図が理想だ。

 昨季の雪辱か、それともクラブ初の悲願達成か。運命の一戦は、15:30にキックオフされる。